放射線測定カード ラドフィットとは

フジテレビの しりたがり!で紹介された放射線測定カード ラドフィットとはクレジットカードサイズで、これまでに受けた放射線の総量を視覚的に確認することが出来るカードです。
放射線を受けると、受けた量に比例してセンサー部が黒く変化していき目で確認することが可能です。
最小は20[mSv](=20ミリシーベルト)から測定することが出来ます。
この20[mSv]が多いのか少ないのか?詳しくは下記で考察したいと思います。

正式名称:RAD Triage FIT

正規流通品と並行輸入品との違いについて、正規流通品は日本語表示になっているのに対して、並行輸入品は英語表示になっています。


被曝線量の基準と日常生活で受ける放射線量

厚生労働省はこれまで被曝線量の限度を100[mSv](=100ミリシーベルト)と発表していましたが、北日本大震災後、東京電力福島第一原子力発電所での緊急作業に限り上限を250[mSv]に引き上げたと発表されました。

日常生活で受ける放射線量一覧(資源エネルギー庁、JAXA発表分)
http://www.enecho.meti.go.jp/rw/hlw/qa/pdf/sanko02.pdf
被爆量[mSv] 状況 影響
7,000〜10,000 全身被爆 死亡
1,200 ISS搭乗飛行士で40歳〜に初めて宇宙飛行をした男性の制限値
1,100 ISS搭乗飛行士で40歳〜に初めて宇宙飛行をした女性の制限値
1,000 全身被爆 悪心、嘔吐等
1000 ISS搭乗飛行士で35〜39歳までに初めて宇宙飛行をした男性の制限値
900 ISS搭乗飛行士で35〜39歳までに初めて宇宙飛行をした女性の制限値
900 ISS搭乗飛行士で30〜34歳までに初めて宇宙飛行をした男性の制限値
800 ISS搭乗飛行士で30〜34歳までに初めて宇宙飛行をした女性の制限値
600 ISS搭乗飛行士で27〜29歳までに初めて宇宙飛行をした男女の制限値
500 全身被爆 抹消血中のリンパ球の現象
約350 ISS(国際宇宙ステーション)1年間分
200 福島第一原子力発電所限定
総量の限度値
200[mSv]以下では臨床試験で
影響が確認されず
100 厚労省発表 総量の限度値
20 ラドフィットの最小測定単位
子供の年間被爆量上限
10 ブラジル ガラパリ(1年間分)
6.9 胸部X線コンピューター(1回分)
CTスキャン(1回分)
2.4 世界での平均(1年間分)
0.6 胃のX線集団検診(1回分)
0.5 東京都(1年間分)
0.4 日本での平均(1年間分)
0.2 東京〜ニューヨーク間航空機往復
(高度による宇宙線の増加)
0.05 胸のX線検診(1回分)
原子力発電所(軽水炉)周辺(1年間分)
0.00001 Dose RAE2の最小測定単位

この表を見るとラドフィットの最小計測単位20[mSv]というのは、ブラジル ガラパリでの2年間分、東京都での40年間分、東京〜ニューヨーク間航空機100回分に相当することになります。
ブラジル ガラバリは地球上で最も自然放射線の多い地域と言われていますが、飛行機に乗ると放射線をよく受ける理由とは?


放射線とはX線、中性子線、宇宙船などの高エネルギー波の事ですが、太陽から放出される太陽風も放射線に含まれます。太陽風は前方向に向け放出され地球にも照射されていますが、地磁気の影響により地上には極微量しか降り注がないようになっています。
ですが、飛行機に乗ると高度が上がるので地上にいるよりも太陽風による放射線がより降り注いでいるため、放射線を多く受けるようになります。


宇宙飛行士になると地磁気が少なくなり太陽風の影響が一気に増加することにより放射線が増加し、地上で生活するよりも被爆量が増加します。これは地上で半年の間に受ける放射線を僅か1日で受けるほどの増加となります。宇宙飛行士というのは非常に危険な任務なのですね。


光や赤外線等が降り注がなくなるというのは別の話にしておいて、太陽風がなければ宇宙飛行士が受ける放射線の量が減少するのでは?と考えられそうですが、実は宇宙には太陽風よりももっと危険な宇宙線というのが散乱しています。
これはビックバンの直後から発生していると考えられる非常に強力なエネルギー波ですが、太陽風があるおかげで宇宙線は太陽系への侵入をブロックしているのです。


ラドフィットでは宇宙飛行士や福島第一原子力発電所での勤務者等向けの簡易的な計測を行うことが出来ますが、リアルタイムでの計測は出来ず、数千円分のお守りのような認識になると思います。
若し、さらに詳細な計測や統計を取りたいという場合には下記で紹介するDose RAE2のようなガイガーカウンターが必要になってくると思います。


ガイガーカウンター Dose RAE2

ラドフィットでは簡易的すぎる、国の発表では積算被爆量がわからない、どうしても積算被爆量を細かく知りたいという方には厚さ9.6mmのICカードサイズのDose RAE2というガイガーカウンターがあります。
こちらの測定範囲は1時間あたり0.01[μSv](=0.00001[mSv])からとなっており、PCと接続することで積算被爆量の統計をとることも可能です。

製造元:RAE Systems Inc.
商品名:Dose RAE2
線量率範囲:0.01[μSv/h]〜10[Sv/h]
線量範囲:0[μSv]〜10[Sv]
サイズ:85mm×55mm×9.6mm


被爆は日常生活を行っている中でも太古の歴史よりうけてきて、温泉により線量が増える場所もあります。温泉などの微量の放射線は人体に良い影響を与えるともされているくらいです。
被爆量が極端に多くなると人体に影響が出ますが、その数値を正しく受け止め冷静に対応していただきたいものです。


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