アフィリエイトの会計処理

アフィリエイトの会計処理ですが、簡単に行おうと思えば家計簿ソフトを使うこともできなくはないのですが、20万の所得が見込まれそうになるのであれば本格的な会計処理である複式帳簿にて行う必要があります。
別に20万の所得に至らなくても複式帳簿にて会計処理を行うことで金銭の流れを明確に捉える事ができ、計画を持ってアフィリエイトをすすめることが出来ます。
ここでは青色申告を行う前提で複式帳簿について紹介を行なっていきますが、レシートや帳簿等の保管期間が5〜7年と決まっていますので、捨ててしまわないよう注意してください。
保管期間については記帳や記録保存・青色申告を御覧ください。


複式帳簿とは

複式帳簿とはある取引に対して資産の増減と損益の増減についての計算を同時に行う、現在の会計処理でも欠かすことの出来ないもので、これはアフィリエイトの場合でも当てはまります。
例えばASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)を介してある年の1月に発生した売上についての収入は通常2月若しくは3月となります。
確定申告は通常1月1日〜12月31日の所得について会計処理を行うので、売上と収入にタイムラグがあるこの場合(売掛が発生している状態)家計簿ソフトでは売掛(ASPに対する債権)に対応しておらず、収益の計算がしづらい(困難)になります。


複式帳簿では総勘定元帳、仕訳帳、売掛帳、現金出納帳等といったものを使い、1月に発生した売上についての収入は1月分の売上(損益)と売掛(資産)として処理を行い、2月若しくは3月の振込については売掛(資産)と振込(資産)として処理を行います。
損益と資産についての処理を取引が発生した際に同時に行うため、所得容易に確認することが出来ます。
また、複式帳簿により資産と損益を明確に捉えることで税務署へ明確な資料を提出することが可能となるので65万円の控除の対象となっているわけです。


複雑な会計処理にも対応のでき、資産と損益を明確に捉えることができる複式帳簿ですが、幾つかのルールを覚えてそれに従って処理を行う必要があります。
例えばはじめての人の帳簿入門塾―まずはこの本から!等の本を読んで勉強するのもいいのではないかと思います。


まあ、アフィリエイトの場合それほど複雑な取引があるわけでは無く、複式帳簿に対応した会計ソフトを利用することで月毎の取引について伝票を入力するだけで帳簿へ自動で入力がされていきます。
このあたりの計算処理はパソコンが得意とする分野ですね。
幾つかの取引例についてはアフィリエイトの伝票入力例を御覧ください。


以下では勘定科目の具体例や作成しておいたほうが良い補助元帳等について紹介していきます。


現金・預金:借方

理想を言えばアフィリエイト報酬受取の専用口座があればいいのですが、通常は元々持っている銀行口座にアフィリエイト報酬が振り込まれるよう申請している人が多いと思います。
この場合口座種別毎に◯◯銀行という補助科目を追加します。


売上:貸方

売上とはASPを経由した商品の販売額に規定の紹介料率を掛けた紹介料のことです。
紹介料が発生すればその日付にて売上の処理を行うようにします。当期であれば通常遡った日付にて伝票の処理を行うことができるので確定申告までに行えば大丈夫です。
また、総勘定元帳に売上高という項目があるので、契約を行なっているASPそれぞれについて補助科目を作成しておきます。
これにより後で各ASP毎でどの程度売上が発生しているのか確認することが出来ます。


売掛:借方

売掛はASPに対する債権です。
例えば1月31に確定したあるASPの紹介料は通常2月か3月に振込がされます。
伝票は取引のあった日を入力することになるので、1月31日に確定した紹介料はその日の売上となりますが、振込は後日となるので、それまでの間この紹介料は債権として処理を行いその科目が売掛となります。
売掛も売上と同様に契約を行なっているASPそれぞれについて補助科目を作成しておきます。


経費:借方

経費とは収入を得るために発生した費用です。
その例として

水道光熱費 家庭で使用した電気代の一部等
旅費交通費 HP、ブログ記事作成の為のバス・電車代等
通信費 インターネット接続料、プロバイダー料、サーバーレンタル代等
広告宣伝費 Yahoo!リスティング広告代、Adsense代等
消耗品費 10万円以下のパソコン、デジカメ、HP作成ソフト等
事務用品費 サイトデータ保存用のCD-R・DVD-R・BD-R代、コピー用紙代等
減価償却費 10万以上のパソコン等に利用
支払い手数料 振込手数料等
研修費 アフィリエイトセミナー参加費等
新聞図書費 HP、ブログ記事作成のための書籍代、専門書代等

といったものがあります。
※全てが認められるわけではないので注意してください。
尚、税法上認められているレシート若しくは領収書、明細書が必要で一定期間5年〜の保管が必要となります。


事業主貸(じぎょうぬしかし):借方

事業主貸は法人では存在しない勘定科目ですが、アフィリエイトを含めた個人事業主では頻繁に使用します。
アフィリエイトとは関係ない個人で使用したクレジットカード利用代金が引き落とされた、保険料が引き落とされたといった場合にこの項目を使用します。


事業主借(じぎょうぬしかり):貸方

事業主借は事業主貸と同じく頻繁に使用します。
事業主からお金を借りたという意味合いで借という字が使われています。
銀行口座に本業からの給料が振り込まれた、財布の中にある現金を口座に入金したといった場合にこの項目を使用します。


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