アフィリエイトの伝票入力例

アフィリエイトの取引は法人の場合程は多くなく、取引も毎日あるわけではありません。
ルールが幾つかある複式帳簿ですが、アフィリエイトの場合はいくつかのパターンの繰り返しとなるのでそれほど難しいものではありません。


会計で使用する伝票は入金伝票、出金伝票、振替伝票とありますが、入金伝票と出金伝票は振替伝票の簡易版と考えることが出来ます。
入金伝票の場合は貸方に現金が、出金伝票は貸方に現金が元々入っている振替伝票と言い換えることが出来るでしょう。
アフィリエイトの場合は現金の取扱があまりないのでここでは全て振替伝票を基礎として紹介していきます。


振替伝票はソフトによりやや形式が異なりますが、おおよそ下の表の形をしています。
中央に摘要と呼ばれる取引内容、その左側2つは借方(かりかた)という金額と勘定科目を入力する欄、摘要の右側には貸方(かしかた)という金額と勘定科目を入力する欄があります。
貸方・借方についてはここで説明しだすと長くなるのではじめての人の帳簿入門塾―まずはこの本から!等の書籍にお任せして、知らなくても伝票処理が出来るよう例を紹介したいと思います。。
以後で例えば借方勘定/補助が売掛金/AS100の場合は、貸方勘定が売掛金、補助科目がAS100であることを表しています。
また1枚の振替伝票では複数行の借方金額合計と複数行の貸方金額合計は必ずイコールとなります。

日付
借方金額 借方勘定/補助 摘要 貸方勘定/補助 貸方金額

以下で出てくる会社はフィクションと実在の会社の双方を含みます。


売上高仕訳

ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)の紹介料確定日は多くの場合月末です。
ASPを通しての紹介料日々発生していきますが、その紹介料が承認されるのには一定の時間が必要になり多くのASPの場合月末締としているようです。
ただ、紹介料が確定してもその金額が振り込まれるには一定の日数が必要となるのでその売上高の相手方は売掛金として処理を行います。
例えばAS100を見ると2012年1月分として3,000円の報酬が確定していたとすると次のようになります。

日付 2012年1月31日
借方金額 借方勘定/補助 摘要 貸方勘定/補助 貸方金額
3,000 売掛金/AS100 AS100 売上高/AS100 3,000

売掛仕訳:紹介料振込

ASPの紹介料が確定して翌月又は翌々月になると登録した口座へ紹介料が振り込まれます。
この際の振込手数料はASPによって又振込金額により異なります。
例えば上の例で得た3,000円を2月25日に振込手数料525円を引かれて100銀行へ入金されたとすると次のようになります。

日付 2012年2月25日
借方金額 借方勘定/補助 摘要 貸方勘定/補助 貸方金額
2,475 普通預金/100銀行 AS100 売掛金/AS100 3,000
525 支払い手数料      

上記例の場合借方で2行、貸方で2行で処理しても大丈夫なのですが、売掛金の3,000円は総勘定元帳では1行で処理されるため、借方で2行、貸方で1行という処理の仕方を行なっています。
どちらでも税務上問題はなく、確認する際のしやすさ、しにくさになってきます。
尚、管理人調査の結果リンクシェアとAdSenseは振込手数料は必要なく、Amazon、A8.netは振込手数料が紹介料から引かれて振込がされるようです。


事業主借仕訳:給与振込

銀行口座を分けていない場合、本業からの給与の振込とアフィエイト紹介料の振込が同じ口座に行われることとなります。
この場合給与の振込はアフィリエイト報酬ではなく個人事業主から借りたという考え方となります。
例えば1月30日に給与として20万が100銀行へ入金されたとすると次のようになります。

日付 2012年1月30日
借方金額 借方勘定/補助 摘要 貸方勘定/補助 貸方金額
200,000 普通預金/100銀行 給与振込 事業主借 200,000

事業主貸仕訳:保険料引落

上の例と同じく同一口座で保険料の引き落としの手続きを行なっている場合(保険料は本業にて控除申請を行う)、保険料は個人事業主に貸したという考え方となります。
例えば1月28日にABC保険から生命保険として5,000円が引き落とされたとすると次のようになります。

日付 2012年1月28日
借方金額 借方勘定/補助 摘要 貸方勘定/補助 貸方金額
5,000 事業主貸 ABC保険 生命保険 普通預金/100銀行 5,000

この場合給与振込とは逆に口座からの出金となるので事業主借の場合と左右逆の仕訳となりそうですが、事業主借と事業主貸は貸方・借方を入れ替えることが総勘定元帳を見ると出来ず足し算を行なっていくだけという処理となります。
これは決算時に差し引きし資産として計上がされることになります。


経費仕訳:回線使用料、プロバイダー料

HPやブログ記事を更新するためにインターネットの申し込みを行なっている場合、これらの代金は労働の代価としての収入を得るための必要経費として認められています。
例えば3月25日にNNTよりインターネット回線使用料として5,000円が、同じ日にecociteよりプロバイダー料として1,000円が引き落とされたとすると次のようになります。

日付 2012年3月25日
借方金額 借方勘定/補助 摘要 貸方勘定/補助 貸方金額
5,000 通信費 NTT 回線使用料 普通預金/100銀行 5,000
1,000 通信費 ecocite プロバイダー料 普通預金/100銀行 1,000

この時実はNNTの回線使用料は11月分、ecociteのプロバイダー料は12月分であったということにした場合、厳密に言うと双方とも請求金額が確定した日に買掛金として処理する必要があるのですが、年間を通してほぼ一定の経費の場合は引き落とし日を請求日として処理することも可能です。(このほうが簡単)
同じ日の仕訳なのですが、売掛仕訳のように左側の借方は2行、右側の貸方は1行としないのは通帳を見るとNNTとecociteの請求はそれぞれにされて2行となるため、確認する際にしやすくなるためです。
NNTとecociteの請求が経費として認められる場合、1枚の振替伝票ではなく2枚の振替伝票に分けても税務上問題はありません。


経費仕訳:クレジットカード支払いの回線使用料、プロバイダー料

上の仕訳では銀行から直接引き落としがされていましたが、個人で所有しているクレジットカードで支払いを行なっている場合は請求がされてから支払いまで十数日の遅れがあるため未払い金という仕訳を使用します。
クレジットカードの明細書に1月31日分としてNTTとecociteの利用料が請求されていた場合次のような仕訳となります。

日付 2012年1月31日
借方金額 借方勘定/補助 摘要 貸方勘定/補助 貸方金額
5,000 通信費 回線使用料(NNT) 未払金 6,000
1,000 通信費 プロバイダー料(ecocite)    

次に上記の仕訳が3月20日に個人的に利用したクレジットカード代金(12,000円)とともに銀行より引き落とされていた場合次のような仕訳となります。

日付 2012年3月20日
借方金額 借方勘定/補助 摘要 貸方勘定/補助 貸方金額
12,000 事業主貸 カード引き落とし 普通預金/100銀行 18,000
6,000 未払金      

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