AMD Qool'n'Quiet

AMD Qool'n'Quietとは

AMDの省電力テクノロジーで、CPU負荷が低い状態では電圧を下げる事で消費電力を下げる動作をします。
例えば1.3Vが定格のCPUでは負荷が増すにつれ1.1V→1.15V→1.35V→1.4Vと上昇し、逆に負荷が減少するにつれ1.4V→1.35V→1.15V→1.1Vと減少します。


Qool'n'QuietのBIOS設定

マザーボードにより設定方法が少し異なるので、下記のマザーボードを例に挙げ設定を行います。最近のマザーボードは日本語BIOS&日本語マニュアルになっているので、BIOSの設定でそれほど迷う事はありませんが…
メーカー:GIGABYTE
品番:GA-MA790FX-DQ6


パソコンの電源を入れるとBIOS画面が表示されますが、「Delete」キーを押しBIOS設定画面に入ります。
BIOS画面に入るとメインメニューが表示されるのでこの中から
Advanced BIOS Features
を選択します。(選択は↑↓キーとエンターキー)
画面が切り替わると
AMD K8 Cool&Quiet control
を選択するとAutoDisableを選択できますが、Cool'n'Quietを使用する場合は当然Autoを選択します。因みに
Auto:AMD Qool'n'Quietドライバーを使いCPUクロックを動的に変化させ、発熱と消費電力を減少させます。
Disable:この機能を無効にします。


通常、この設定はAutoになっていますがAMDのCPUを使う場合念のためここを確認した方が良いでしょう。


AMD CPUドライバーのインストール

Windows VISTA以後のOSではCPUドライバーのインストールが必要無くなったようですが、Windows XPやWindows Server 2003、Linuxではドライバーのインストールが必要になります。下記リンクからCPUドライバーをダウンロードしインストールします。
AMD Processor Driver


電源管理の設定

最後にコントロールパネルの中にある電源オプションで電源の設定から
最小の電源管理(XP)
バランス(VISTA)
を選ぶとQool'n'Quietが動作するようになります。


Qool'n'Quietが動作しない?

特に最初はQool'n'Quietが動作していたが、気が付いたらいつの間にか動作しなくなっていた場合はソフトのインストール&アンインストールを行う事でレジストリが書き換えられている場合が考えられます。
XPで電源管理関連のレジストリは

  • HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\PowerCfg\PowerPolicies
  • HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Controls Folder\PowerCfg\PowerPolicies
  • HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Controls Folder\PowerCfg\ProcessorPolicies

となります。
それぞれのフォルダの中に電源の設定で選択できる数だけフォルダがあるはずです。
私の場合、HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\PowerCfg\PowerPoliciesの中には6個のフォルダが有りましたがHKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Control Folder\PowerCfg\PowerPoliciesとHKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Control Folder\PowerCfg\ProcessorPoliciesの中には何故か90個程度のフォルダが有りました。
理由は…わかりません。恐らくソフトのインストール&アンインストールによるものと思います。


レジストリの操作は危険を伴うので、バックアップを取り慎重に操作する必要があります。


とりあえず、もともとは6個のフォルダがあったはずなのでどちらも0〜5のフォルダ以外を全て削除しました。
また、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Control Folder\PowerCfgのLastIDというバイナリ値を変更しました。
LastIDはどの電源設定を使用するのか?という値が入っているので0〜5の値を入力します。
私の場合LastIDは93になっていたので3に変更しました。


レジストリの操作が終わったら念のため、CPUドライバーをダウンロードして実行します。
この時点ではCPUドライバーはインストールされているはずですが、実行する事でアンインストールできます。
操作に従い再起動したのち再度ドライバーを実行する事でインストールされます。


この時点で電源管理の設定を「最小の電源管理」にしQool'n'Quietが動作すれば完了です。


それでもQool'n'Quietが動作しない場合

これはレジストリが根本的にQool'n'Quietが動作しないように書き換えられている状態です。
OSの再インストールを行うと解決されますが、Qool'n'Quietを動作させる為に再インストールをするのもナンセンスです。
幸いAMDのCPUを搭載し正常にQool'n'Quietが動作しているPCが近くにあったので、そちらからレジストリ情報をインポートする事にしました。

正常に動作すると思われるレジストリ値

Windows Registry Editor Version 5.00

[HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\PowerCfg\PowerPolicies\4]
"Name"="最小の電源管理"
"Description"="これは、コンピュータを常にオンにしておき、パフォーマンスを良くするために最適化する設定です。"
"Policies"=hex:01,00,00,00,03,00,00,00,01,00,00,00,00,00,00,00,02,00,00,00,00,\
00,00,00,00,00,00,00,20,1c,00,00,2c,01,00,00,32,32,03,03,04,00,00,00,04,00,\
00,00,00,00,16,77,2e,f2,07,00,58,02,00,00,2c,01,00,00,10,0e,00,00,84,03,00,\
00,00,01,64,64,64,64,95,7c


Windows Registry Editor Version 5.00

[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Controls Folder\PowerCfg\PowerPolicies\4]
"Policies"=hex:01,00,00,00,02,00,00,00,04,00,00,00,02,00,00,00,02,00,00,00,00,\
00,00,00,00,00,00,00,00,00,00,00,04,29,00,00,00,00,07,00,02,00,00,00,04,00,\
00,c0,00,00,00,00,02,00,00,00,04,00,00,c0,00,00,00,00

[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Controls Folder\PowerCfg\ProcessorPolicies\4]
"Policies"=hex:01,00,00,00,01,00,00,00,03,00,00,00,00,00,00,00,03,00,00,00,a0,\
86,01,00,a0,86,01,00,a0,86,01,00,28,32,00,00,02,00,00,00,a0,86,01,00,a0,86,\
01,00,a0,86,01,00,28,3c,00,00,03,00,00,00,a0,86,01,00,a0,86,01,00,a0,86,01,\
00,28,50,00,00,01,00,00,00,01,00,00,00,03,00,00,00,00,00,00,00,03,00,00,00,\
a0,86,01,00,a0,86,01,00,a0,86,01,00,0a,14,00,00,02,00,00,00,a0,86,01,00,a0,\
86,01,00,a0,86,01,00,14,28,00,00,03,00,00,00,a0,86,01,00,a0,86,01,00,a0,86,\
01,00,14,46,00,00,01,00,00,00


全て打ち込むのは大変なので、下記からダウンロードして結合するとインポートされます。
HKCU
HKLM
レジストリ操作は危険を伴うので事前にバックアップを取る等して下さい。
インポートしたのち電源の設定を行う事で正常に動作するはずです。

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