POPFileの使い方

あまりたいそうなことは書けませんが一応使い方などを説明したいと思います。なおバージョンはv.0.22.3となっていますが、このソフトはオープンソースで開発がどんどん進んでいるので今後使い方が変わる可能性もあります。また誤記があるかもしれませんので最終的には取扱説明書をご覧ください。
当然のことながらフリーソフトなので製品版のようなサポートは受けられないのですが、POPFileのHPに色々問い合わせることが出来るようなので見てみてください。

まず、インストールですが特別することはありません。インストーラーの指示に従い進めていけばいいでしょう。
インストールが完了した時点ではベイジアンフィルターはまだ学習しておらずPOPFileは機能していません。インストールしてすぐ使えるものではありません。ここが市販の物とは違いますね。
迷惑メールを仕分けするには学習という作業が必要になってきます。といってもそんなに難しいものではなく選択して再分類するだけです。

POPFileへのアクセスはブラウザを使い、設定もブラウザから行うようになります。そのアドレスは自分のPCのローカルアドレスである
http://localhost:8080/
となります。
また画面の右下に現れるPOPFileのマークをダブルクリックしても同じ画面が表示されます。


まずインストールした時点で4つの“バケツ”と呼ばれるものが作成されます。
メール受信作業を行うとPOPFileはメーラーの受信を横取りし1件ずつベイジアンフィルターのルールにのっとりそれぞれのバケツに仕分けを行います。
バケツの意味は仕分け先ということでしょうか?
バケツの名前&文字の色は後からでも変えることができます。私の場合は
・personal:緑色
・spam:赤色
・subscription:青色
・unclassified:黒色−変更不可
としました。最後の“unclassified”は未分類という意味です。
POPFileをインストールした直後は全てのメールはunclassifiedバケツに仕分けされます。
このままでは機能していないので学習といわれる作業を行わなければなりません。
といってもその作業は簡単です。
左端の“▼”をクリックして設定したバケツの名前を選択して上端 or 下端の“再分類”をクリックすると学習が完了します。
学習がある程度進んでくると分類が右の画面のように変わってくるはずです。

また受信したメールは必ずunclassified以外に仕分けしなければなりません。
私がやってしまった方法ですが、受信した迷惑メールを“spam”のみに仕分けしほかのメールはそのまま=unclassifiedにしていました。これをしてしまうとベイジアンフィルターは迷惑メールとそうでないメールの区別をすることができず正常に動作しません。
unclassifiedはあくまで未分類なので必ずどれかのバケツに入れなければなりません。

また学習はすぐに終了しません。最初のころは必ず誤検出・見逃しが発生しますがその都度適切に分類していけば必ず思うとおりに分類してくれるようになります。

これは上でspamと分類したメールをPOPFileの中から開いたものです。
単なるテキスト表示なのでウイルスなどの感染は無いと思われます。
太文字の緑・赤・青・黒があちこちに見えると思いますが、それぞれの単語がルールにのっとって分類された証拠です。
これは私が迷惑メールと仕分けしたメールの一例ですが赤の文字が多くなっていますね。
非常に簡単に言うとこの赤い文字が多いメールが迷惑メールと仕分けされるということです。
POPFileにはバケツ(ベイジアンフィルター)による分類以外の分類方法があります。
それはマグネットと言われる方法で差出人・宛先のアドレス or 名前や件名に含まれる文字を強制的に設定したバケツに分類するというものです。
例えばabc.co.jpというドメインからのメールは絶対に迷惑メールではないのでpersonalに分類したいというのであればそのようなルールを作成することができます。
手っ取り早く迷惑メールを仕分けするのにも使うことができますがそれをしてしまうとベイジアンフィルターは使用されなくなってしまいます。
ということでマグネットはあまり使わないようにしましょう。
あまり使うことがない設定タブです。
私の場合はウイルス対策ソフトの都合でPOP3ポートを123に変更しています。
デフォルトは110になっているのですがNortonの場合そのままだとひとつのメールに対して2回ウイルスチェックをしてしまい動作が遅くなってしまうのでPOPFileのポート番号を変更しています。
それに伴いメールソフトの設定変更も必要になります。
メールソフトによって多少異なりますが、受信メールサーバーを“127.0.0.1”に、送信メールサーバーはプロバイダ指定のままで、アカウントを“受信メールサーバー:110:アカウント名”に設定し、送信メールサーバーにプロバイダ指定のアカウントとパスワードを指定します。
またサーバーのポート番号を上で指定した123に設定すると作業完了です。

このあたりの設定手順についてはPOPFileHPHOWTOを見るといいでしょう。

この作業完了後念のためWindowsを再起動しましょう。
セキュリティタブは特に変更するところはありません。
上で紹介した迷惑メールをメールソフトから開いたところです。
POPFileで見たような文字色の変更等は当然ありませんが、件名に[spam]という文字が追加されています。
件名に文字の追加をさせない設定もできます。それはバケツタブの件名の変更についているチェックをはずすとOKです。
またメッセージヘッダーを見ると
X-Text-Classification: spam
という文字が追加されます。
もし不要ならばこの行を追加しないようにもできますがそのままにしておいたほうがいいでしょう。
その理由はメールソフトで迷惑メールを分類させる必要があるためです。
POPFileは学習させたベイジアンフィルターにより件名やヘッダーに文字を追加させるだけなのでメールソフトのほうで追加された文字を使い仕分けさせる必要があります。
使い方はメールソフトの説明書を見てください。
私の場合は右のようなルールを作成し、迷惑メールフォルダを作成し受信したらそのフォルダに移動させるようにしています。

で、移動したメールは機会を見て違反メールの受付に情報提供を行っています。
上のほうで書きましたが最初のころは誤検出・見逃しが必ず発生します。が、少しの間マグネットは使わずにバケツの仕分けを続けていけば必ず希望通りの動作をしてくれるようになります。
注意事項ですが学習を早く終わらせようとしてサンプルメールを送信してもらったり自分自身にメールを送信してそれを仕分けするなどという方法を取ると誤検出・見逃しが多く発生するようです。

学習が完了するまでは受信するメールの量にもよりますが早い方だと1週間程度でほぼ100%の精度で分類してくれるようです。受信するメールが少ない場合は当然もう少しかかります。
私の場合(一度カウントをリセットしたので)分類されたメール数:5350件中分類エラーの数:20という実に99.62%という高精度で仕分けを行ってくれています。

このソフトかなりお勧めです。

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