Chapter 10 スモークを貼る!

ウインドーフィルムを貼る作業は面倒だし、頼めるものならプロに頼みたい。でも僕らにゃ高すぎる。お金がないからDIY。何とかキレイに仕上げましょう。


では作業に必要な道具をそろえましょう。まず買うのは、DIYショップなどで売っているプラスチック製のヘラ(建材コーナーのヤツ)、そして文房具屋へ行って布用のカッターナイフとダーマトグラフを買いましょう。布用のカッターは滅多に売っていないのが難点です。無ければ普通のカッターを使います。そして台所にある家庭用の中性洗剤とバケツ、あと霧吹きが必要になります。


また、フィルムを型抜きするときに広いテーブルを使いますが、このときにテーブルを傷つけると、あとでお母ちゃんに怒られます。ゴムのデスクマットもあった方がいいでしょう。


フィルムをカッコ悪く貼ることのひとつに、ウインドーの端までフィルムが届かず、端が切れていることがあります。また、作業が終わったら室内がビショ濡れになっちゃうかもしれません。こうならないためには、内装パーツをひっぺがし、ウインドーを全面に出して作業するのが一番です。


リヤシートを外し、リヤ側の内張りを全部外します。4点式シートベルトを装着したことのある人なら、リヤシートは外せるでしょう。あとは留め具を外しまくれば、そのうち外せる留め具やボルトが無くなります。そうなったら内張りの端を持って引っ張れば、バチバチッと外れるはずです。内装を全部外すって勇気が必要だが、その気になれば30分もあれば全部外せます。


ウインドーフィルムは巻物として売られています。さすがにこのままでは車に貼れないため、ウインドーの形に合わせて型抜きをする必要があります。


このとき、いきなりウインドーフィルムをウインドーに合わせ、その場でカッターを使って型抜きできれば楽なのだが、それをやるとカッターで熱線を切るかもしれないし、きちんと型どりできない可能性が高いです。だからまず型取りを行いましょう。ではリヤウインドーの型取りを説明します。


リヤウインドーは3次曲面となっていることが多く、1枚で貼ることは我々素人では無理です。だから分割して貼るのが基本です。分割する場所は熱線でやるのが良いでしょう。分割する部分の熱線を選び、ダーマトでマーキングします。


車の外側から裏表に注意して、ウインドーに型取り用フィルムを被せ、型どりする部分を大きめの余白を持たせながら切ります。ここでフィルムに番号をかいておくと、あとで混乱しなくて済むでしょう。


次にウインドーの内側に霧吹きで洗剤の水溶液を吹きかけ、型取り用フィルムを張り付けます。ウインドーとフィルムの間のエアを抜いたらダーマトを使って外側のラインを決めます。ウインドーの周辺部はたいていブラックアウトされているため、ここに隠れるように線を引きます。そして熱線の部分だが、ここはダーマトを細かく上下に動かして、熱線の周囲を塗ります。すると熱線は段差になっているため、熱線に沿ったラインがキレイに浮き出てきます。


全部の型取りが終わったら、テーブルの上に使用するウインドーフィルムを敷き、その上に型どりしたフィルムを広げます。このとき、霧吹きで洗浄水をかけておかないとフィルムが動き回ってきれいに切れないから、忘れずに吹きかけておきましょう。型取りのラインに合わせてカッターで切るのですが、このときは焦らず慎重に行うことが重要です。失敗するとフィルムが足りなくなるかもしれないので・・・

またフィルム同士が重なる部分は、少なければ少ないほどきれいに仕上がりますが、透き間が空いてしまうとダサダサだから、5o位のクリアランスを持たせた方が失敗しなくていいと思います。中心部分で5o程重ね、両サイドでは2〜3o程重ねるようにしても良いかな?でも作業は確実に難しくなります。重ねる部分は熱線の上になるように慎重に切って欲しいです。


フィルムの型取りが終わったら、ウインドー内側をきれいに掃除します。ゴミが残っているとカッコ悪いからとことんきれいに洗いましょう。


ウインドーの内側は綺麗になりましたか?中途半端だと絶対にカッコ良く仕上がりませんのでご注意を。綺麗になっているなら、型抜きしたウインドーフィルムをウインドーに貼りましょう。


分割したウインドーフィルムは上から下へと、順番に貼っていくのが良いでしょう。まずは1番上からです。


リヤウインドーの曲面が強い車は、まず細かく分割するのが基本です。また、外からウインドーにフィルムを当て、ドライヤーを使って形を整えるという手段もあります。家庭用のドライヤーでは熱量が足りないことが多いと言いますが、これはフィルムによって違ってくるので、とりあえずチャレンジして見ましょう。


外側で形があったら、いよいよ内側からフィルムを貼ります。まずウインドーにたっぷりの洗浄液を吹きかけるのが大事です。これは滑りを良くするためです。ケチってはいけません。フィルムの接着面をカバーしている透明フィルムを剥がし、接着面にも洗浄液を吹きかけながら透明フィルムを剥がします。


ぴったりとウインドーに張り付いたら、両手の親指でフィルムを少しずつズラし、下側を熱線に当てます。位置決めが終わったら、フィルムが傷つかないようヘラにペーパータオルなどをかぶせ、洗浄液を外へ送り出します。貼ったフィルムの表面に洗浄液を吹きかけて、ゴムヘラで洗浄液を送り出しても良いでしょう。はじめは弱く、仕上げは強くすることが大事です。このときは中央から左右へと動かすのが良いでしょう。上下の端は外側へ向けてヘラを使って良いです。やっている内にペーパータオルが濡れてグチョグチョになるので、マメに新しいものへ変えましょう。水抜き作業は1枚貼るごとにしっかり行って欲しいです。


1番上を貼ったら、その下に貼るフィルムを同じ手順で貼ります。このときもフィルム下側を熱線に合わせ、熱線の出っ張りに当てるのですが、上側が先に貼ったフィルムにちゃんと重なっているかを確認します。ここで重ならないようなら型取りのミス。やり直しです。

気泡などがどうしても抜けなくて、もう一度やり直したいって事もあるでしょう。接着剤が乾いていないうちなら、接着剤に洗浄液をまた吹きかければやり直せます。


なお、作業の途中で何度か車を降り、外からフィルムの貼り具合を見ると良いでしょう。作業が長時間に及ぶだけに気分転換になるし、車内では気づかなかったミスを発見することもあります。


  • フィルム角端へセロハンテープ片を互いにくっつかない様に貼り、セロハンテープの端を持って引き剥がすと透明フィルムがめくれます。透明フィルムが張り付いてある側が接着面です。裏表を間違えると型取りの左右が逆になるので注意しましょう。
  • 貼るガラス面の汚れ、埃、ゴミ等に洗浄液を吹き付け、ゴムヘラで洗浄しましょう。開閉する窓の場合は、ガラスを少し下げて窓枠に隠れている部分も洗浄します。ガラスクリーナーはフィルムを傷める恐れがあるので、使用しない方が無難です。
  • 貼るガラスのサイズを測り、ガラスより少し大きめ(2〜3p程)にフィルムをカットします。ガラスの外側にスプレーを吹き付けてゴムヘラで空気を抜きながらフィルムを密着させます。ダーマトで正確に窓枠に沿って形を取りましょう。
  • フィルムをガラスから外し、カッターやはさみで切ります。このとき、使用時の剥がれを防ぐために型取り線の2〜3o内側をカットしましょう。スライド開閉する窓ガラスは、フィルムの下部を型取り線より1p程長くカットしておきましょう。
  • ガラスの内側をきれいに洗浄したあと、洗浄液をたっぷりと吹き付ましょう。
  • 透明フィルムを剥がしながら洗浄液をたっぷりとスプレーします。このときフィルムに傷が付かないよう注意して作業することが重要です。
  • ガラス内側にフィルムを貼り、位置決めをします。ガラス面にはたっぷりと洗浄液を吹き付けた方が、位置決めが楽に出来るでしょう。
  • フィルムを傷つけないようにヘラにペーパータオルをかぶせるか、フィルム表面に洗浄液を吹き付け中心から外側に向かって放射状に、丁寧に水・気泡を抜いていきます。はじめは弱く、仕上げは強くします。上下にスライド開閉する窓ガラスは、窓ガラス上部のみを密着させ、窓ガラスと、水切りゴムの間に少し長くカットしたフィルムをヘラを使って差し込みます。こうすると窓を開閉したときにも剥がれにくくなります。
  • 窓ガラスの縁にタケノコ状に空気が入る場合は、ゴムヘラにペーパータオルを撒いて何度かに分けてしっかり押さえ水を抜きます。ゴムヘラはタケノコの角から窓の縁に向かって、動かしていきます。
  • 最後にタオルで軽く拭き取れば完成です。貼った直後は接着剤が完全に乾いていないので、約24時間は窓の開閉を行わないようにしてください!そうしないとせっかく苦労して貼ったフィルムが、剥がれてしまいます。リヤウインドーは、接着剤が乾いてから親指の腹で中心から両端に向かって押さえます。こうすると継ぎ目が完全に密着します。

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