グラフィックボード(規格紹介)(2005年09月現在)

まず、グラフィックボードを挿すインターフェースには現在3つの規格があります。次世代汎用拡張規格であるPCI Expressバス、グラフィック専用のAGPバス、汎用のPCIバスです。
本当はもうひとつあるのですが、ほとんど搭載されていないので割愛します。


PCI Expressバス

次世代汎用規格ということでグラフィックボード以外のボードも挿せるようになっています。ただ現在のところこれほどの高速転送を要求するのはグラフィック以外にはないのでほとんどグラフィック専用になっているみたいです。PCI Expressでは送信用・受信用のデータ伝送路を1本に束ねた双方向レーンを1単位として複数のレーンを束ねる(1、2、4、8、16、32の6段階)ことで超高速転送を実現しました。
このため4レーンのPCI Express 4XでAGP 8Xと同等の転送速度を実現します。PCI Express 16XではなんとAGP 8Xの4倍!の転送速度。


PCI Expressバスの転送速度(参考)

  • PCI Express 1X:512MB/s(0.5GB/s)
  • PCI Express 2X:1GB/s
  • PCI Express 4X:2GB/s
  • PCI Express 8X:4GB/s
  • PCI Express 16X:8GB/s
  • (PCI Express 32X:16GB/s?)

AGPバス

グラフィック専用ということでまさに描画をさせるためだけの拡張ボードを挿すようになっています。これまでのPCIバスよりも転送速度を高めることで描画性能を高め、快適に動作させることができるようになりました。
その後規格が新しくなりAGP 4X、AGP 8Xが出てきました。AGPが出てきた当初よりも転送速度を高くしたものです。ちなみに私のPCはAGP 8Xで、搭載されているのはSis 760 64MBでオンボードタイプになっています。(AGPボードを差し替えることは当然可能)
が、ほかのグラフィックボードと比べると(Sis 760の)性能が低いため最新の3Dゲームをするには不向きです。ゲームをするのならば高速なグラフィックボードが必須です。
その理由はベンチマークをご覧ください。


で、グラフィック専用だったAGPバスですが、PIC Expressが出てきたことでAGP用のグラフィックボードの品数が減ってきています。まあ作らないことは無いのでしょうが転送速度の関係で最新最速のグラフィックボードは出てきにくいのではないかと思います。


AGPバスの転送速度(参考)

  • AGP 4X:1066MB/s(1GB/s)
  • AGP 8X:2133MB/s(2GB/s)

PCIバス

汎用ということでAGPのような高速転送はできません。が、普通の拡張ボードであれば転送速度はこれで十分。TV録画の転送速度は最大で10MB/s程度なので33MHzの226MB/sでも余裕がありますね。


PCIバスの転送速度(参考)

  • PCI 33MHz:266MB/s
  • PCI 66MHz:533MB/s

NEC VALUESTAR G Type-TZの場合PCI Expressは無くAGP(1)とPCI(4)のみです。TXだとPCI Express(1)とPCI(3)がありますね。


現在グラフィックボードの大きなシェアを占めているのはわずか3社だけです。
nVIDIA
ATI
Matrox
でその中でも有名なチップ(PCで言うCPU)は
nVIDIA:GeForceシリーズ
ATI:RADEONシリーズ
Matrox:Milleniumシリーズ
だそうです。


特に前の2社のボードは3D性能に特化しており有名どころのゲームの推奨グラフィックボードに指定されています。
Matrox社のボードは2D性能が強いそうです。
そういえば私が以前使用していたノートPCのグラフィックはATIでした。
おぉ今のPCで使っているSisは名前が出てきていない…調べてみるとこれはコストパフォーマンスに優れたボードだそうです。よく言えばリーズナブル、悪く言えば3Dに向かない。


このグラフィックボードですがカタログを見ると色々書いています。
GIGABYTE GV-N66T128VPを例に挙げると

  • NVIDIA GeForce 6600GT GPU搭載
  • AGP 8X 規格グラフィックカード
  • 8ピクセルパイプラインをサポート
  • 128MB GDDR3メモリーを搭載
  • 高速128bitメモリーバスをサポート
  • ファンレス静音、ヒートパイプ高冷却設計
  • ビデオ入力機能「VIVIO」をサポート
  • オーバークロックソフトウェア「V-TUNE2」をサポート
  • HDTV(高精密テレビ/高品位テレビ)対応
  • DVI-I、D-subコネクターを装備

まずNVIDIA…は搭載しているグラフィックチップの品番などを示しています。品番なので一般的に数字が挙がるほど高性能になっていきます。カタログでは通常最初のほうのページの方が、同じページならば左上(左開きのカタログの場合)の方の製品ほど高性能になっていきます。
AGP…はバスの名前です。PCと同じバスでなければ挿すことが出来ません。
128…はグラフィックボードに搭載(オンボード)されているメモリーの量&メモリーの種類です。DDR、SDRAMなどがありますがDDRの方が高速です。
高速…はメモリ帯域と言われるものでオンボードメモリーへのアクセス速度をあらわすものです。大きいほうが高速なのですが、オンボードメモリーが大きくてもメモリ帯域が低いとグラフィックボードの性能は高くありません。64MB(128bit)>128MB(64bit)
ファンレス…はグラフィックボードの冷却方式を示しています。当然ファンレスだと音の発生はありませんが、ファンタイプのほうが一般的に高性能です。でもVALUESTAR TZは静かなPCなのでファンレスタイプのほうが良いかもしれませんね。またヒートパイプとは温度を効率よく伝達するものです。
とりあえずこんなところになります。


で、3Dゲームをするためだったりグラフィックボードの性能が悪いため性能の高いグラフィックボードに買えるときにいくつか注意が必要です。
特にValuestar G Type-TZの場合AGPバスを持っているのでAGPタイプのグラフィックボードを購入することになるのですが、まず高速なPCI Expressタイプは基本的に規格が違うので使用できません。ゲタをかませることで使用可能にするものもあるようですが動作保障ができないとかあるので無難にAGPタイプを購入しましょう。


次にグラフィックボードの規格はこれからPCI Express 16Xに移行していきます。その理由は転送速度のためです。と言う事はAGPタイプはこれから減っていくということに…有名どころのボードが減少していくはずなので購入しようとすると探さなければならなくなるでしょう。また選択肢もPCI Expressほど多くないので在る物しかないということになります。


例えばGIGABYTEのカタログ(VOL.5 2005.SUMMER)を見るとNVIDIA系では15種類のグラフィックボードがラインナップされていますが、AGPタイプはその中で4枚のみとなっており後の11枚はPCI Express 16Xタイプになっています。HPにはたくさんラインナップされているようですが・・・
でこの中のAGPタイプの上位機種はGeForce 6600GT(ファンレス仕様)を搭載しているのに対して、PCI Express 16XはGeForce 7800GTX(ファンタイプ)と差があります。さらに後者のほうは“SLIマルチGPUテクノロジー”と呼ばれる1つのモニターを出力するために2つのグラフィックボードを使用し並列処理させることでパフォーマンスをアップさせる事が出来る使用になっています。まあ新しい規格はどんどん出てくるので上を見ればきりがありませんね。事実Pentiumを搭載しているValuestar G Type-TXはPCI Expressスロットルを持っていますが、1つだけなのでこのSLIはボードを2つ挿すところが無いので使用できません。この辺りの最新の規格を満たすPC(マザーボード)は自作派の方用になっているのかもしれません。
またATI系だと8枚のグラフィックボードのうち4枚がAGPタイプになっています。
GIGABYTEはNVIDIAがメインになっているのでしょうか?
まあ高速性能のみを求めるのであればPentium搭載のTZにしているでしょう。高速性能のみを求めているのではないからTZを購入したわけなのでそこそこで満足しましょう。最新のボードでなくてもSis 760オンボードよりかははるかにましです。
因みにFF XIでもTZでオプションで選べるグラフィックボード(ATI RADEON 9600SE)だと動作確認がされています。


さらにValuestar TZの場合所謂メーカーPCなのでマザーボードは独自規格、PCケースも独自ということでグラフィックボードを選ぶようになっています。どう選ぶのかというと物理的に挿せるか挿せないかということです。グラフィックボードによっては大きいものもあるのでケース(若しくはメモリー)に当たって挿すことが出来ないということもあるそうです。この点は結構重要ですね。AGPの性能のよいボードを見つけても挿せなかったらなんにもなりません。情報をしっかり収集して(自分で実際に測って)挿せるボードを選びましょう。


あと相性もあるそうです。挿せるか挿せないかは物理的な相性ですが、ドライバーや搭載しているチップなどによっては動作してくれないということもあるらしいです。今までグラフィックボードを交換するという行為自体経験に無いのでよくわかりませんが…


とまあ今後の参考のために色々調べてみましたが、今の私にはオンボードSis 760で特に目立った不具合というのはありません。そこまで負荷をかける作業をしていないので…
と考えていたのですがオンライン3Dゲームを試してみたところ殆ど画面が描かれていない…
ってことでグラフィックボードを買っちゃいました。買ったのはELSA GLADIAC 743 GTです。


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