アクセル

アクセルとはAcceleratorのことでアクセルペダルを踏むとスロットルが開きエンジン回転数が増加し出力が上がり、車体が加速度を持ち速度が増加します。
エンジンのトルクがどのように車体を加速するのかと言うと、MTにより選択されたギアによりエンジン回転数がギア比分減少=トルクはその割合で増加し、ファイナルでも同じようにギア比分増加されます。この計算式については後ほどUpしたいと思います。

で、私は2003年5月5日にパワーチェックを行ったのでそのときのデータ-を元にして車体の限界加速度を見積もってみたいと思います。


ギア比-トルク そのまえにJZX100 1JZ-GTE 2500EFI ツインカム24ターボ VVT-i 5速マニュアルのギア比はカタログに載っていますが、
1速 3.566
2速 2.056
3速 1.384
4速 1.000
5速 0.850
ファイナル 4.100 となっています。
また、今回計算に使用したタイヤ外径は636mmです。
この値を用いてタイヤが路面に伝えることの出来る加速力[N]は上の図のようになりました。軸の説明ですが、X軸はエンジン回転数[rpm]、Y軸はタイヤが路面に伝える加速力[N]で、ギアポジションと色は図のようになっています。線が6000[rpm]付近で切れているのはパワーチェックを行った時にリミッタ-をカットしていなかったためです。また、トルクはBOSCHのシャシーダイナモのローラーに伝えられた力(ロスは考慮していない=ダイノパックの値に近い)を元にしています。
各ポジションのギア比の関係から当然1速が最も加速力が大きく5速が最も小さくなっています。


限界加速度 各回転数並びにギアポジションでタイヤに伝えられる加速力を車体重量(=1480[kg])と重力加速度(=9.80665[m/s2])の積で割ると車体の加速度[G]が得られます。
これをX軸に加速度、Y軸にトルクを取ったグラフに書き、さらに前後車軸と重心高さ(ブレーキの項目で用いた0.55[m]:多分間違ってます)と加速度により得られる荷重移動により得られるリアタイヤの限界を図に加えたものが右の図のようになります。


荷重移動を考慮したリアタイヤの限界加速力はピンク色の線です。各ギアポジションの色は上の図と同じですが線が重なっているので少し見えにくいと思いますがご了承願います。
なお、ピンク色の線から上に線があるとリアタイヤがスリップすることを示しています。
この図より1速(黒線)ではアクセルを全開するとピンクの線を越えているのでリアタイヤはスリップしてしまいます。また2つの線の交差点での加速度は0.55[G](8025[N])となり外部要因(空力によるダウンフォース)が無ければこの車の限界加速度は0.55[G]までとなります。ただ、1速で7000[rpm]まで回しても計算上69[km/h]までしか出ないので空力効果はあまり期待できません。しかも3000[rpm]で最大トルクが発生するのでこの回転数以降はアクセルコントロールをしないとホイールスピンが止まらないと言うことに・・・後ほど簡易ETCSキャンセラーの装着によりこの傾向を確認して見ましたが乾燥アスファルトではホイールスピンが止まらないと言うことはありませんが、発生はしている感じを受けました。白煙やスキール音が発生していないようなのでそれほど激しいホイールスピンと言うことはなさそうです。まあこの計算は所謂ノーサス状態なので実際はスプリングやショック、タイヤのサイドウォールでトルクの一部が吸収されるのでこの傾向はあるようですが、程度は低くなると思われます。
このためTOYOTAはJZX系にサブスロットルなどを用いたスロットルコントロールを採用しているんですね。


ホイールスピンのそもそもの原因はトルクが出すぎていることは置いておいて、リアタイヤ荷重が低い(=フロントが重過ぎる)ことです。リアの静的荷重配分がもっと大きければタイヤが受けられる加速力が大きくなり(=ホイールスピンの発生をもう少し押さえられる)、もっと加速度を発生させることが出来ます。また、重心がもっと高ければ荷重移動によりリアの動的荷重が増加することにより加速力が増しますしホイールベースが短くても同じ現象が発生します。
最大加速度が0.55[G]と言うことは純正の最大減速度よりも低いですね。と言うことはこの車のブレーキはまんざら効かないブレーキと言うわけでも無いかも・・・amuseさんはキャリパー移植よりも純正ブレーキでパッド交換を進めていると風の噂で聞いたこともあります。ただし、パッドの温度を下げる対策と温度が上がっても摩擦係数が下がらないような対策が必要になります。


2速以降では線はピンクの線を越えることが無く直進状態だとホイールスピンは発生しませんが、コーナリングフォースが発生すると限界を超えると思われます。
タービン交換などによりパワーアップを行うと2速(エンジントルクによっては3速)でもホイールスピンが発生してしまいます。と言うことはノーマルよりもアクセルコントロールが難しくなると言うことです。まあホイールスピンをTRCに任してしまえば良いのかも知れませんが、過度のホイールスピンはサブスロットルはSNOWMODEに突入してしまい極端にパワーダウンしてしまうのと、ブーストアップ以降のパワーアップを行っている方はETCSmonitorなどでサブスロットルをキャンセルしているでしょう。


3速(若しくはそれ以上のギア)での加速が不足しているのならばパワーアップが必要になってきますが、2速から3速にシフトアップしてアクセルを全開にした場合は115[km/h]〜172[km/h]までの速度域に、同様に4速にシフトアップした場合は172[km/h]〜225[km/h]、5速では225[km/h]〜299[km/h]になるのでとても公道で出せる速度域ではありませんね。まあ、7000[rpm]まで回さずにシフトアップすると速度は減少しますが・・・
と言うことはブーストアップやタービン交換をされて乗りこなしている方は改めてすごいと思います。私レベルではとてもコントロールできそうにありません。

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