キーレスシステム

以前はキーレスエントリーが高級車の証だったのですが、技術&コストダウンが進むにつれ殆どの車種にキーレスエントリーが装着されています。近づくとドアが勝手にアンロック、離れるとドアが勝手にロックすると言うのも(キーフリー)出ていますね。
非常に便利なキーレスエントリーですが、エンジンをかけているときには作動しないとか、セキュリティを付けていてリモコンを鍵につけなければいけないがキーレスエントリーの鍵が大きくて邪魔、アンサーバックを付けたいがどこにつけるのか?等と言ったことがあちこちから聞こえてきます。
そこで、JZX100 Chaser TourerVを例にとってキーレスエントリーの簡単な仕組み等を述べたいと思います。


ドアロック(アンロック)コントロール

そもそも何故キーレスエントリーがこれほど流行っている?のかと言えば”便利”と言うことでしょう。鍵を鍵穴に入れてドアをロック(アンロック)することも無く、ボタンを押せばロック(アンロック)してくれるのでドアノブを開けるだけで構わない非常に便利なものです。
一歩進んで車に近づくとアンロック、離れるとロックしてくれるともっと便利です。この機能はセキュリティにはじめから組み込まれている若しくはオプションになっていることが多いです。私が付けているセキュリティもキーレス&キーフリー(現在は使用していない)付のものです。
便利なキーレスエントリーですが、セキュリティのリモコンと一緒に持ち歩くのはかさばるのでちょっと・・・と言う声もあります。私の場合純正でついているキーレス付の鍵は車を購入してから1ヶ月と使っていないと思います。と言うのは購入してすぐにセキュリティを取り付けて”大きくて邪魔”と言う理由でキーレス無の鍵をずっと使用しているからです。
セキュリティ上どのメーカーと言うことは出来ませんが、検索サイトで調べるとあちこちから様々な商品が出ています。


話を戻してJZX100のキーレスエントリーですが、各ドアにドアをロック(アンロック)するモーターが付いていてこれは(停止状態において)運転席の右手にあるスイッチと連動しています。このスイッチ(各窓の上下スイッチを含むその周辺)はマルチプレックスネットワークマスタースイッチ(MPXマスタースイッチ)と呼ばれています。スイッチを“押す”という信号は1本の多重通信線により運転席足元にあるマルチプレックスボディーコンピューター(MPXボディーコンピューター)に送られリレーが作動することによりロック(アンロック)が行われています。


また、キーレスの信号はトランクの運転席側内張り奥にあるドアコントロールレシーバーに送られ数本の線がMPXボディーコンピューターと接続され、キーレスでロック(アンロック)が行われるようになっています。


JZX100が多重通信線を採用している理由はコストダウンだと思います。1本の線に数本文の情報を流すことにより、線長の減少等の利点が得られます。またまた脱線しそうなので元に戻して・・・


キーレスエントリーのロック(アンロック)はマイナスコントロールを使用しており、ロック(アンロック)線は通常の状態で+12Vであるがロック(アンロック)動作をスイッチを動かすことにより0Vになりモーターが作動します。キーレスエントリーはこの信号線と接続して動作させるようになっていますが、JZX100の場合スイッチへの線にキーレスの信号線を接続するのはちょっと難しいです。ボディ−ドア間の配線を保護&防水する保護チューブの中に線を通さなくてはならず時間がかかるので、下で述べる方法により配線したほうが簡単です。


どうするかと言うとMPXボディーコンピューターとドアコントロールレシーバーを繋いでいる線にキーレスの線を接続するようにします。
MPXボディーコンピューターから出ているロック(アンロック)線は通常+12Vになっています。この線はドアコントロールレシーバーの中でトランジスタ(リレー)に接続されドアコントロールレシーバーにロック(アンロック)の信号が伝わるとトランジスタが動作して0Vになるように回路が組まれています。


運転席側右足元このロック(アンロック)線の場所ですが、運転席右足元の内装をめくると右図のように線が現れます。この左下にある白いカプラ―から上向きに出ている茶色に白色の線が入っている線(以後茶−白線)がロックの信号線、茶色に黄色の線が入っている線(以後茶−黄線)がアンロックの信号線となっています。

すでに述べたようにこの2つの線は通常+12Vになっており、純正のキーレスエントリーで操作を行うとそれぞれが一瞬(0.5秒程度)0Vになることによりロック(アンロック)動作が行われます。


後付けのキーレス(若しくはセキュリティでその機能があるもの)から出ているロック(アンロック)線をここに接続することで動作させることが出来るようになります。
この線は当然トランク内のドアコントロールレシーバーへ繋がっているのでこちらのほうに接続することで動作させることが出来るようにもなります。


キーレスエントリー(セキュリティでロック(アンロック)動作が出来るものを含む)は動作用としてロック線、アンロック線とコントロール線の3本の線があると思います。
実際の配線方法並びにプラスコントロールとマイナスコントロールの切り替えについては個々の説明書をよく読んでいただくとして、キーレスエントリーのロック信号線は車体側のロック信号線(茶−白線)に、アンロック信号線は車体側のアンロック信号線(茶−黄線)に接続します。
残りのコントロール線は通常プラスコントロールならば常時電源線、マイナスコントロールならばボディアースとすると思います。


自分の車の配線要領図が欲しい(私も自分で作業するとき欲しかったです)という方はサンヨーテクニカのHPをご覧になるとよいかと思われます。2003年9月9日現在で動作信号が多重通信線のみなどの特殊な車を除き多数の車種用配線要領図を見ることが出来ます。そのHPをご覧になるとおわかりになると思いますが、配線場所は全く一緒です。ちなみにサンヨーテクニカでなくてもあちこちから配線場所をまとめた本が自動車用品量販店においてありそこに書いている箇所も一緒です。


一般に公開されている配線箇所についてですが現在販売されている車は殆ど含まれますが、あとから取り付けられるのはメーカー純正キーレスシステム搭載車&集中ドアロックスイッチ搭載車(但しUCF30セルシオなどの特殊車両を除く)のみとなっております。


ラゲッジ(トランク)オープナーコントロール

後付けのキーレスエントリー(セキュリティ)にはラゲッジオープナー信号線を持っているものがあります。キーレスエントリーにその機能があるならば是非使えるようにしておきましょう。スムージングをしている場合は有効に使えるでしょう。
こちらはドアロック(アンロック)コントロールと異なりプラスコントロールとマイナスコントロールがどちらも使えるようになっています。
画像をいま持ち合わせていないので文章のみになりますが、接続する場所はドアコントロールレシーバー近く(トランク運転席側内張り奥)になります。
線の色はリレー(小さな箱みたいなもの)から出ている4本の線の内黒色の線がプラスコントロールとなります。残りの3本は白-青線、青線、青-赤線なので間違わないように配線してください。


プラスコントロールとマイナスコントロール

キーレスエントリーの作動でプラスコントロールとマイナスコントロールについて少し触れましたが、整理のためにここでちょっと詳しく述べたいと思います。
何故2つあるのかと言うとこれは自動車メーカーの設計の違いと言うことではないでしょうか?


・プラスコントロール

これは分かりやすく言うと、バッテリーのプラス(+12V)−スイッチ−抵抗(ホーン、ライト、モーター等の動作物)−ボディアース(バッテリーのマイナス)と並んでいます。
これはスイッチの前まで+12Vとなっておりスイッチを押すことにより抵抗まで+12Vが流れます。抵抗の後は0Vなのでこの電圧差で抵抗が任意の動作をするようになっています。


・マイナスコントロール

こちらは、バッテリーのプラス(+12V)−抵抗(ホーン、ライト、モーター等の動作物)−スイッチ−ボディアース(バッテリーのマイナス)と並んでいます。
これは抵抗の後(スイッチの前)まで+12Vとなっており抵抗は常に+12Vの電圧になっています。スイッチを押すことによりスイッチの前は0Vになり抵抗に電圧差が発生することになり抵抗は任意の動作をするようになっています。


この2つは簡単に言うと抵抗の上流側(+12V側)にスイッチがあるか、下流側(0V側)にスイッチがあるかの違いです。
もっと詳しく知りたい!と言う方は本やネットで探していただければもっと分かりやすくかかれていると思います。


例をあげるとマイナスコントロールはここで取り上げているキーレスエントリー等、プラスコントロールはラゲッジオープナー、ホーン等です。

back

↑このページのトップへ戻る↑