Cyberlink PowerDirector10によるMPEG2-TSファイルの編集

日本のテレビ放送は著作権により守られております。正しい使い方で正しい視聴を行いましょう。


PD8

著作権フリーな放送波MPEG2-TSファイルを持っていないので、上記読み込みファイルは画像編集を行ったイメージです。
1chでサービスが3つある地上デジタル放送をPT2、Monster HDP、PX-W3PE等のTS抜きが出来るチューナー(復調器)で録画(記録)した場合、サービス数3つ+ワンセグ1つの合計4つのサムネイルが読み込まれます。サムネイルの右端がワンセグ、それ以外がハイビジョンとなります。
1chでサービスが2つある地上デジタル放送の場合は3つのサムネイル、サービスが1つのBS・CSの場合はワンセグがないのでサムネイルは1つのみとなります。
※正規チューナーで録画したファイルはコピーガードが施されているので、PowerDirectorでの編集・読み込みは出来ません。
前作のPowerDirector9では安定性に難有り、初期バージョンでコマズレ発生等色々あったようですが、現行モデルのPowerDirector10では安定性の向上に加えてこれまででは対応していなかった1440x1080のSVRT(Smart Video Rendering Technlogy=結合部分のみをエンコードし、それ以外はエンコードを行わないため画像の劣化が無くCPUのパワーが必要なくなる=無劣化編集が可能)への対応もなされています。
以下では執筆当初のPowerDirector8を元に一部PowerDirector10の内容を一部更新していきたいと思います。


MPEG2-TSファイルの読み込み

PowerDirectorへMPEG2-TSファイルを読み込ませるには、左上の“メディアファイルのインポート”又はファイルをドラッグ&ドロップします。
例えば1時間のファイルを正常に読みこめば各サムネイルにマウスカーソルを合わせると所要時間は1時間と表示されます。
時間が正常に表示されない場合はMPEG2-TSファイルの前処理を御覧ください。


MPEG2-TSファイルの編集

Murdoc Cutter、HDTVtoMPEG2ではGOP(Grop of Picture=0.5秒単位)で映像のカットが出来ますが、PowerDirectorの場合は1フレームごとにカット(トリム)、CM抜き(マルチトリム)が可能です。
しかもスライダーで大まかに指定し、1フレームごとにコマ送りを行いカット点を指定することが可能です。
また、MPEG2-TSからH.264/MPEG4 AVC変換の際のビットレートで少し紹介していますが、変換にグラフィックボードを使うことの出来るGPGPUにも対応(指定グラフィックボードのみ)しているので、処理を早く行うことも可能です。
更にバージョン10からはSVRTのプロファイルが変更されたためかどうか、BS・CSのフルハイビジョン(1920×1080)に加え、地デジやBS・CSの地デジ解像度(1440×1080)のtsファイルも無劣化で編集が可能になるらしいです。


MPEG2-TS 1440x1080サイズファイルの取扱

地デジ解像度は1440x1080で放送されていますが、PowerDirector10からはCMカットをした場合でもSVRT(Smart Video Rendering Technlogy)が適用可能となりフルエンコード無し(再エンコードなし)で速度も早く出力することが可能だそうです。
画質プロファイル(参考)
解像度:1440x1080
モード:CVBR
平均ビットレート:13000Kbps
最大ビットレート:24000Kbps
音声圧縮:Dolby Digital
音声チャンネル:ステレオ
音声圧縮率:256Kbps


MPEG2-TS 1920x1080ファイルの取扱

BS・CS解像度は1920x1080で放送されていますが、こちらの場合もSVRT(Smart Video Rendering Technlogy)が適用可能となりフルエンコード無し(再エンコードなし)で速度も早く出力することが可能だそうです。
画質プロファイル(参考)
解像度:1920x1080(1080i)
モード:CVBR
平均ビットレート:22000Kbps
最大ビットレート:25000Kbps
音声圧縮:Dolby Digital
音声チャンネル:ステレオ
音声圧縮率:256Kbps


MPEG2-TSファイルの前処理

MPEG2-TSファイルを読み込んだ際に所要時間が正常に表示されない場合はTimeCodeが映像の途中で0にリセットされている、ドロップしているPIDがある等の原因があります。
この場合tsMuxerrGUIで一度Demuxし、tsMuxerGUIで再結合(mux)することによりTimeCodeを0から振り直すことができます。
前処理を行うことでCMカットを行ったファイルで音声が再生されない、CMカットの処理中でソフトがフリーズする等の場合にも対処することが可能です。


ただし、映像や音声のPIDがドロップしている場合は対処ができません。これはアンテナの調節、アンテナの買い替えなどが必要だと思います。
どうしても編集を行いたい場合はMurdoc Cutterでドロップ部の前後を抜き出すという方法もあると思います。


PowerDirectorのフリーズ対策

MPEG2-TSファイルをCMカットを行っている最中でPowerDirectorがフリーズする場合があります。この場合はカットを行わない状態で一度出力してみてください。
1440x1080の場合はSVRTが使用できないのでフルエンコードされてしまいますが、出力したファイルはフリーズすること無くCMカットが出来る場合が多いです。
↑PowerDirector10では1440x1080もSVRTが適用可能になりました。
CMカットを行い出力する際もSVRTが使用できます。


また、編集中になぜか動作が停止してしまう、保存ができないなどといった場合はTime codeが0になっている場合もあるようです。
Time codeは放送波に含まれている情報のようなので詳しいことは詳しいページに任せるとして、2つの解決方法を紹介したいと思います。


その1 Bon Ts Demux + tsMuxser (+MurdocCutter)

この方法はTSファイルの前処理と同じ方法になりますので、再度簡単に説明しますがBon Ts Demuxにより一度映像と音声(WAV)に分離(Demux)しておいて、音声をAC3へ変換した後、tsMuxserにより再度muxするという方法です。
この方法を使うことによりtime codeがリセットされPowerDirectorで正常に編集ができるようになるようです。


上記の方法を使用しても編集中の動作若しくは再エンコードの最中に停止してしまうという場合は、上記操作の前にTsSplitterGUIによりHD画像のみを抽出しておいて、Bon Ts Demux + tsMuxserを使用するとい方法があるようです。


ここまでしてもどうしようもない場合は、おそらく映像か何かが信号レベルの関係でドロップしているので、その箇所をMurdocCutterで取り除いてPowerDirectorで編集するという方法があるのかもしれません。


その2 HDTVtoMPEG2

この方法は不要な最初と最後のCMをカットし、不要な映像・音声をカットするという方法です。
その1の最後で紹介したMurdocCutterはGOPを読み込むのに最初だけ時間がかかってしまいますが、HDTVtoMPEG2はこの時間は必要なくGOP単位で簡単にカットすることができます。
しかも必要な映像・音声を選択することで不要な映像・音声もカットすることができます。


いずれの方法もドロップ若しくは復号漏れしている不要な箇所を削除してPowerDirectorで読み込める状態にすることで編集可能な状態に前処理にしておくということになります。


レジストリのクリーニング

PowerDirectorは出力を行う際に中間ファイルが残らないような作りになっていますが、レジストリにゴミがたくさん溜まってしまいます。
このゴミは下記のレジストリキーになりますので、定期的に削除を行ったほうが良いと思います。
※レジストリの操作は危険を伴いますのでくれぐれも注意してください。


HKEY_CURRENT_USER\Software\Cyberlink\MediaCache\Data4
HKEY_CURRENT_USER\Software\Cyberlink\MediaCache\ProgramInfo
HKEY_CURRENT_USER\Software\Cyberlink\MediaCache\Thumbnail4
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\CyberLink\PowerDirector\10.0\CLDemuxer


MPEG2-TSファイルの音ずれ

PowerDirectorを使用してCMカットをこなった場合通常でしたら音ずれは発生しない(発生していたとしても気にならない)と思います。
(ドロップしている場合を除く)
録画したファイルの状態により前処理を行う必要はありますが、殆どこのソフト1本で全て処理ができるので有料ですが買う価値は十分あると思います。


GPGPU:グラフィックボードのエンコード支援

MPEG2-TSファイルの取扱ができる有料ソフトでTMPGEnc 4.0 Xpressがありますが、このソフトはフィルタの一部のみ有効などとエンコード支援が制限されています。
PowerDirectorはH264のみならずMPEG2(最終パッチにより対応)のエンコード支援も可能で、ファイル容量の削減、エンコード速度の向上などの大きなメリットがあります。
詳しくはMPEG2-TSからH.264/MPEG4 AVC変換の際のビットレートを御覧ください。


システム動作環境

画面解像度 1024 x 768 16bitカラー以上
OS Windows 7 / Vista / XP
(HDVキャプチャーにはWindows XP Service Pack 2以上が必要)
メモリー 512MB推奨
HD動画編集には2GB DDR2以上を推奨
CPU AVIキャプチャー / 出力:Pentium U 450MHz又はAMD Athlon 500MHz
VCD画質(MPEG1)プロファイル:Pentium V 600MHzまたはAMD Athlon 700MHz
DVD画質(MPEG2)プロファイル:Pentium 4 2.2GHz又はAMD Athlon XP 2200+
高画質(MPEG4及びWMV、QuickTime、RealVideoのストリーミングプロファイル:Pentium 4 2.4GHzまたはAMD Athlon XP 2400+
AVCHD及びMPEG2 HD(BD/HD書き込み用)プロファイル:Pentium Core 2 Duo E6400またはAthlon 64 X2 5000+
ビデオキャプチャーデバイス WDM規格準拠のPCIまたはUSB1.0/2.0キャプチャーデバイス
OHCI対応IEEE1394接続DVカムコーダー
USB2.0接続のDVDカムコーダー
Sony MicroMV/AVCHD/HDVカムコーダー
JVC Everioカムコーダー
ハードディスク容量 5GB(SmartSound Quicktrack Libraryには400MBが必要)
DVD出力には10GB(20GB推奨)
BD/HD/AVCHD出力には60GB(100GB推奨)
PowerDirector8
GPGPUサポート
グラフィックボード
AMD社製
Radeon HD 5870
Radeon HD 5770
Radeon HD 5670
Radeon HD 4870
Radeon HD 4850
Radeon HD 4830
Radeon HD 4670
Radeon HD 4650
PowerDirector9
GPGPUサポート
グラフィックボード
AMD社製
Radeon HD 6800 シリーズ
Radeon HD 5600 シリーズ
Radeon HD 4600 シリーズ
Radeon HD 2600 以上
NVIDIA社製
GeForce GT/GTS/GTX 500 シリーズ
GeForce GT/GTS/GTX 400 シリーズ
GeForce GT/GTS/GTX 200 シリーズ
GeForce 9800GT 以上
GeForce 8500GT 以上
PowerDirector9
GPGPUサポート
グラフィックボード
AMD社製
AMD APU Family with AMD Radeon HD グラフィックカード
・Aシリーズ
・Eシリーズ
・Cシリーズ
AMD Radeon HD グラフィックカード
・7900シリーズ
・7800シリーズ
・7700シリーズ
・7600シリーズ
・7500シリーズ
・7400シリーズ
・7300シリーズ
・6900シリーズ
・6800シリーズ
・6700シリーズ
・6600シリーズ
・6500シリーズ
・6400シリーズ
ATI Radeon グラフィックカード
・5900シリーズ
・5800シリーズ
・5700シリーズ
・5600シリーズ
・5500シリーズ
・5400シリーズ
ATI FirePro グラフィックカード
ATI Mobility Radeon HD
・5800シリーズ
・5700シリーズ
・5600シリーズ
・5400シリーズ
ATI Mobility FirePro
・M7820
・M5800
NVIDIA社製
・GeForce GT/GTS/GTX 500 シリーズ
・GeForce GT/GTS/GTX 400 シリーズ
・GeForce GT/GTS/GTX 200 シリーズ
・GeForce 9800GT 以上
・GeForce 8500GT 以上

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