AC Delco AD-0002 取扱説明書

※注意※
充電器の取り扱いについては説明書をよく読み指示に従ってください。
誤った操作は人体、車両、バッテリー等に損害を与える可能性があります。
以下の文章は説明書の整合性、取り扱いについて何ら保証するものでは無く、使用目的別に説明書の一部を抜き出したものです。


AC Delcoの12[V]バッテリー充電器は多彩な機能を持ちながらシンプルな操作を実現していますが、その操作方法について同封されている説明書で十分に説明がされてないようなので、ここでは補足したいと思います。
充電器の持っている機能についてはサルフェーション解消機能付き充電器 ACDelco ADシリーズを御覧ください。


もくじ


全自動バッテリー充電モード

充電が開始されると、全てが自動で行われるため特別な操作は一切必要無く、次回エンジン始動まで充電器は接続したままでも大丈夫です。
また、サルフェーション除去の効果はこの充電モードで複数あるモードの中でStage3のINTEC POWER XT3において最も効果が高くなります。

1.準備

AC Delcoのバッテリー充電器は車両に接続したまま充電を行うことが可能です。
バッテリーのプラスとマイナスを間違わないように12[V]用のクリップを接続し、100[V]の電源コードをコンセントに差し込みます。
この際、オープニングモードに入りビープ音の発生とディスプレイの数字がカウントアップした後、ディスプレイの表示が“OFF”になります。


2.充電開始

ON/OFF
“ON/OFF”ボタンを押すと充電器がスタンバイモードに入り他のボタン操作を受け付けるようになります。

Select
充電を開始するには“Select”ボタンを押すことで充電電流を2→6→10→12→15→表示なし→2→と切り替えることができるので、希望の充電電流を表示させ、“Select”ボタンの操作をそれ以上行わなければ1秒後に希望の電流値にて充電が開始されます。
(例えばボタンを押し“2”を表示されると2[A]で、“10”を表示させると10[A]で充電が開始されます。

Volt/Bat
充電が開始されるとディスプレイには電圧が表示され、“Volt/Bat. %”ボタンを押すと現在のバッテリー電圧[V]と充電容量[%]の表示を切り替えることが出来ます。


充電電流を間違って設定した場合

誤った電流(10[A]で行いたいところを8[A]で行ってしまった、6[A]で行いたいところを誤って8[A]で行ってしまった等)にて充電が開始されてしまった場合は、再度“Select”ボタンを押すことで充電は停止され、充電電流の選択が出来るようになります。
※但し、すぐに訂正の操作を行う必要があります。
緊急で充電を停止させたい場合はこのように“Select”ボタンを押す、若しくはON/OFF”ボタンを押すことで充電を停止させることが出来ます。


エラー表示

Er3

ディスプレイにEr3と表示された場合は、バッテリー内部のセル不良やサルフェーションが進行しており充電ができないことを表します。
この場合は、24〜48時間のメンテナンスモードを行い、再び充電を開始する必要があります。
この際の操作方法はメンテナンスモードを御覧ください。
バッテリーの不良でもこのエラーが表示される場合があり、メンテナンスモードで解決しない場合はバッテリーを新品に交換する必要があります。


Er5

ディスプレイにEr5と表示された場合は、充電開始後20時間たっても満充電が行えないことを表します。
推奨充電電流より設定を低く設定している、若しくはバッテリーの不良が考えられます。
再度同じ充電電流にて充電を開始し、同じエラーが表示される場合は推奨充電電流に近い(超えない状態)にて充電を行うか、バッテリーを新品に交換する必要があります。

4年間使用しCCAが415迄下がった(カタログスペックは815)OPTIMAバッテリーで2[A]で充電を行ったところ、Er5が表示されました。


推奨充電電流

充電電流はバッテリーの推奨する値を超えないように設定する必要があり、日本のバッテリーでは5時間率容量の10分の1が推奨充電電流とされているようです。
5時間率はバッテリーのページに表を載せているので御覧ください。
正確な値はバッテリーの種類によって分かることがありますのでバッテリーメーカーの指示にしたがてください。
真偽の程は定かではありませんが、Amazonに記載の AD-0002 Q&A には推奨充電電流より大きな値を設定すると記載されているようです。
確かにAD-0002は電圧・電流の両方を制御する充電器なので最適な電流値にて充電が行われるのかもしれませんが…
説明書には推奨充電電流を超えない値を設定するようにと記載されています。


オプティマバッテリーは10[A](OPTIMA(オプティマ)バッテリー 充電方法)、オデッセイバッテリーは無制限?とされているようです。
ただ、少し低めの電流のほうがいいような気がします。(6[A]迄の方が良い?)
オプティマバッテリーので、一度10[A]で充電してみまたところ、触れないほどではありませんが(51.7[℃]よりは低いと思います)、プラスティックケースを触った感じでバッテリーの温度が結構上がっていました。
充電はおそらくStage3で、電圧は14.5[V]程度でした。
これが正常な状態(許容範囲)なのか、サルフェーションを解消するためこのような状態になっているのか、温度が上がりすぎている状態なのかはわかりません…
電流は少ないほうがバッテリーへの負担が少ないと言われているので、時間に余裕があれば低い電流で充電を行ったほうがいいのかもしれません。
ただし、AC Delcoのバッテリーチャージャーは20時間充電を行っても満充電にならない場合はエラーが表示されます。(Er5)
この場合は一度ON/OFFを行い再充電を行う若しくは6[A]で充電を行うことになると思います。
※AC Delcoのバッテリーチャージャーは急速充電を行うものではなく、充電電流を任意に設定でき充電時間を短縮することが出来る充電器です。
(同じ容量を充電するのであれば電流が少なくなればその分充電時間は長くなります)


充電完了

充電が完了するとディスプレイに“FUL”と表示され、バッテリーへの電気の供給が遮断されます。
“FUL”と表示され充電を停止せずに放置していると自動でオートウェイクアップモードに入り、バッテリー電圧の監視とバッテリー電圧の低下(12.2[V]以下)を検知すると自動で補充電を行うようになります。


家族が所有している車(アコードとステップワゴン)に搭載しているバッテリー(液入り ウェットタイプの通常のバッテリーとパナソニック ブルーバッテリー caos:カオス)にて全自動バッテリー充電モードを2[A]で試したところ、2時間程度で“FUL”表示になり満充電になりました。
操作は非常に簡単で、通常のバッテリーは蓋を開けること無く(通常のバッテリー充電器は気体が発生するので蓋を開けなければバッテリーが爆発する)、パナソニク カオスはMF水蒸気圧コントロールシートを剥がすこと無く、非常に簡単な操作だけで充電を行うことが出来ました。
そういえばAD-0002はウェットタイプのバッテリーで蓋を開けることについては何も触れられていません。充電電圧が低いため気体の発生は最小限に抑えられている?


3.エンジン始動前

充電を開始するとエンジン始動前まで充電器を接続したままでも大丈夫ですが、エンジン始動前には充電器を取り外さなければなりません。
ON/OFF
“ON/OFF”ボタンを押すと充電・補充電・待機状態が停止されディスプレイに“OFF”と表示されるので、100[V]の電源コードをコンセントから抜き、12[V]用のクリップをバッテリーから取り外します。


↑このページのトップへ戻る↑

メンテナンスモード

2[A]では電流が大きい場合、またはゆっくりとサルフェーションを除去したい等の場合に行うモードです。
また、全自動バッテリー充電モードで満充電できない場合に、メンテナンスモードを使うことでバッテリー性能の回復を行うことも出来ます。
このモードは微弱な電流になるので全自動バッテリー充電モードよりも充電時間はかなり必要になります。

1.準備

バッテリーのプラスとマイナスを間違わないように12[V]用のクリップを接続し、100[V]の電源コードをコンセントに差し込みます。
この際、オープニングモードに入りビープ音の発生とディスプレイの数字がカウントアップした後、ディスプレイの表示が“OFF”になります。


2.メンテナンスモードの開始

ON/OFF
“ON/OFF”ボタンを押すと充電器がスタンバイモードに入り他のボタン操作を受け付けるようになります。

Function
“Function Key”ボタンを1回押すとメンテナンスモードが開始され、“Function Key”ボタン右上のMaintenance LEDが点灯し、ディスプレイにーが何本か動きながら表示されます。


充電完了

充電が完了するとディスプレイが点灯状態になり、バッテリーへの電気の供給が遮断されます。
充電を停止せずに放置していると自動でオートウェイクアップモードに入り、バッテリー電圧の監視とバッテリー電圧の低下(12.2[V]以下)を検知すると自動で補充電を行うようになります。


3.メンテナンスモードの終了

ON/OFF
“ON/OFF”ボタンを押すとディスプレイに“OFF”と表示されるので、100[V]の電源コードをコンセントから抜き、12[V]用のクリップをバッテリーから取り外します。


バッテリー電圧、バッテリー容量確認(簡易診断機能)

1.準備

バッテリーのプラスとマイナスを間違わないように12[V]用のクリップを接続し、100[V]の電源コードをコンセントに差し込みます。
この際、オープニングモードに入りビープ音の発生とディスプレイの数字がカウントアップした後、ディスプレイの表示が“OFF”になります。


2.電圧、容量確認

ON/OFF
“ON/OFF”ボタンを押すと充電器がスタンバイモードに入り他のボタン操作を受け付けるようになります。

Volt/Bat.
“Volt/Bat. %”ボタンを押すと現在のバッテリー電圧[V]と充電容量[%]の表示を切り替えることが出来ます。

この際、表示される電圧は手持ちのテスターで確認したところ誤差は無いようでした。
充電容量は高い精度で表示されているわけではないようですが、大まかには合っているようです。
OPTIMA(オプティマ)バッテリーの電圧-容量


3.確認終了

ON/OFF
“ON/OFF”ボタンを押すとディスプレイに“OFF”と表示されるので、100[V]の電源コードをコンセントから抜き、12[V]用のクリップをバッテリーから取り外します。


↑このページのトップへ戻る↑

オルタネーターテストモード(簡易診断機能)

1.準備

オルタネーターテストモードを行うには、バッテリーが満充電状態でかつ暖機運転が終了していることが必要です。暖機運転中の場合はテスト結果は正確ではありません。
また、簡易診断機能なので正確な診断はディーラーや整備工場などで行う必要があります。


※このテストはエンジンをかけたままの操作になるので、バッテリーのショート、ファンやベルトなど回転部には十分注意し人体、車両に損害が発生しないよう十分注意する必要があります。


暖機運転終了後(エンジンをかけたまま)、バッテリーのプラスとマイナスを間違わないように12[V]用のクリップを接続し、100[V]の電源コードをコンセントに差し込みます。
この際、オープニングモードに入りビープ音の発生とディスプレイの数字がカウントアップした後、ディスプレイの表示が“OFF”になります。
また、エアコン(送風も)は停止、霜取り装置・ヘッドライト・オーディオ・ワイパー等の電気を消費するもので動作を停止することが出来るもの(スイッチなどの操作で動作を停止させることが出来るもの)は全て停止させます。


2.オルタネーターテストの開始

ON/OFF
“ON/OFF”ボタンを押すと充電器がスタンバイモードに入り他のボタン操作を受け付けるようになります。

Function
“Function Key”ボタンを2回押すとバッテリーテストモードが開始され、“Function Key”ボタン右下のAlternator Test LEDが点灯し、テストのStage1に入ります。


Stage1

Stage1では電気的な負荷が少ない状態でのオルタネーターの発電量をテストします。
“Function Key”ボタンの操作前にエアコンなどは停止させているので、上記手順に従うだけでStage1を行う特別な操作は不要です。
ディスプレイに電圧が表示された場合は、オルタネーターの状態が良好ということを表します。
ディスプレイに“CHE”と表示された場合は、ディーラーや整備工場などで詳しく点検する必要があります。


Stage2

Stage2では電気的な負荷を与えた状態でのオルタネーターの発電量をテストします。
ヘッドライトをON(ハイビームとフォグについては特に触れられて無いのでおそらくロービームのみ)、送風のみをHIGH(エアコンや霜取りはOFFのまま)にします。
ディスプレイに電圧が表示された場合は、オルタネーターの状態が良好ということを表します。
ディスプレイに“CHE”と表示された場合は、ディーラーや整備工場などで詳しく点検する必要があります。


3.オルタネーターテストの終了

ON/OFF
“ON/OFF”ボタンを押すとディスプレイに“OFF”と表示されるので、100[V]の電源コードをコンセントから抜き、12[V]用のクリップをバッテリーから取り外します。
※このテストはエンジンをかけたままの操作になるので、バッテリーのショート、ファンやベルトなど回転部には十分注意し人体、車両に損害が発生しないよう十分注意する必要があります。


back

↑このページのトップへ戻る↑