最も一般的なメンテナンスとしてオイル交換の方法を取り上げます。作業協力車両は毎度おなじみJZX100
Chaser TourerV TRD sportsです。
まず、何のためにオイル交換をするかと言うと、オイルは腐食防食作用・減摩作用・冷却作用・密封作用・洗浄作用の5つの役割を持ってエンジンの中を巡回しています。エンジンの中は高温になる場所もありオイルは熱により性能が劣化します。また、スラッジなどを取り込むので(オイルフィルターで大きなごみは取り除けますが)オイルの中にごみが溜まっていきます。
このためオイルはその性能を十分に発揮できなくなりエンジンを保護すると言う目的を達成できなくなり最終的にはエンジンは壊れてしまいます。
そこでオイルの性能が劣化しかけたら新品のオイルと交換するのです。3ヶ月若しくは3000kmのどちらか早い方で交換しておけば10万km以上でも、あまりエンジンの性能が劣化せず使用できると思います。
と言っても、ただ交換すると言うだけでなく目的を持って交換をした方が良いでしょう。
そもそもオイル交換は古いオイルを抜いて新しいオイルを入れるので、古いオイルがエンジンの中に残っていてはあまりよろしくないでしょう。と言うことでプライベーターはプロと違って時間に余裕があるので、できる範囲で時間を掛けて古いオイルを抜いた方がいいと思います。
本当はリフトで車を持ち上げておいてオイルを吸いだせる機械を使ってドレンボルトから吸い出すのが私の経験上最も良く抜く方法だと思います。
用意するものは
だけです。
オイル受けをオイルパンについているドレンボルトの真下に置きます。ドレンボルトは運転席下側に向いているのでオイルの流れそうな方向を予想してオイルが地面に飛散しないように置きましょう。
オイル受けをおいたらドレンボルトを取り外します。
最初にオイルキャップを取ったほうが良いと言う人もいますが、私はドレンボルトを取ったあとでオイルキャップを取ったほうがいいと思います。と言うのは先にオイルキャップを取るとオイルが勢い良く流れて手につくからです。
また古いパッキンは綺麗に取り外してください。ドレンボルトに付いていない場合はオイルパンについています。
オイルパンにパッキンのカスが付いている場合はカッターの刃などで削り取っておきましょう。これをしないとあとでオイルが漏れる可能性があります。綺麗に取り除くことがオイル交換の中で一番重要です。
オイルをある程度抜くまで車体は水平のままです。
オイルがある程度抜けたら助手席前方のジャッキアップポイントに車載ジャッキを掛けて車体を持ち上げます。
何故これをするかと言うとドレンボルトはオイルパンの一番下に無く少し上がったところにあります。なので助手席側を持ち上げることにより少しでもドレンボルトの位置を下げてオイルを抜けやすくしようと言う考えです。
助手席側を持ち上げると水平位置では抜けなかったオイルが抜けてきます。水平位置で抜けないオイルをなんと呼ぶか知りませんが(仮にデッドオイルと呼んでおきます)デッドオイルはオイルパンの形状、ドレンボルトの位置により異なりますが、おおよそ0.5Lほどあります。
良く抜いた分だけオイルを入れると聞きますが、これは一応合ってますが本当は整備書に書いてあるオイル量を入れれるだけ古いオイルを抜くと言うのが正解でしょう。
少し話が脱線しますが、デッドオイルはずっと抜かないと多くのごみを含んだタール状になっていきます。何年も前のオイルの名残が蓄積されていくと言うことです。やっぱりこれは抜いておいた方がいいと思います。エンジンの中にそんなのが入っているのはあまり気分よくないですからね。
私が以前乗っていた車で走行距離が6万kmでしたが、リフトを使う機会があったのでデッドオイルを(おそらく始めて)抜きましたが、明らかに色&粘度が通常の使用後の状態ではなく、茶色がすこしかかった黒色でまるでミッションオイルのような粘度でした。
めんどくさいようですが、これをやると普通に作業するよりももっと古いオイルを抜くことが出来ます。
すべて抜き終わったら新品のパッキンを取り付けてドレンボルトを締めこみます。参考トルクは29N-m(3kgf-m)です。
それとオイルパンについたオイルは念入りに拭き取ります。拭いておかないと万が一オイルが漏れたときに分かりにくいです。
ドレンボルトをきちんと締め付けたら新品のオイルを入れてから、下をのぞいてオイルが漏れていないことを確認してください。
だいたい4Lほど入れてオイルキャップを締めてから一度エンジンを始動します。1分ほど運転してエンジンを止めて約5分待ちます。
レベルゲージを引き抜いてゲージについたオイルをふき取ってからエンジンに挿し込みオイルの量を確認します。
オイルが“F”レベルに達するように足らない量を継ぎ足します。因みに“L”〜“F”の間は約1Lです。
多少足らないぐらい(“F”の少し下))は大丈夫ですが、多すぎるとクランクシャフトがオイルを叩いてしまい泡が発生するので注意してください。
オイル交換作業で重要なことは
と言うことでしょう。