ケーブルサイズ

ちょっと高価なオーディオを使用する場合若しくは外部アンプを使用する場合純正の配線では当然容量不足に陥ってしまいます。例えばサブウーファーをつけるときにデッキ裏から電源(+12V)なんかを取った場合には当然車両側のヒューズが飛んでしまいます。このためバッテリーから直接外部アンプなどに配線を引かなければならないのですが(通称バッ直を引く)その際に容量に見合ったサイズの配線を使用する必要があります。配線と言うものは長ければ長いほど、流す電流が大きければ大きいほど太い(サイズの大きな)配線を使用しなければなりません。
amonの配線には使用することのできる容量を記載してあるのですが、オーディオ用の配線には記載されているケースが少ない…ということであくまで参考と言うことになりますが以下の表を参考にしていただけると幸いです。ケーブルメーカーによっても許容電流が異なってくるので…
あと以下の表を越えた電流を流した瞬間に線が燃えると言うことはおそらくないでしょう。
と言うか最大電流を流しつづけるような使い方はおそらくしないと思うので…当然バッテリーのプラス近くにはヒューズが必要になってきます。

出力と距離による推奨ケーブルサイズ(ゲージ)
最大出力(W) ケーブル長さ(m)
〜1.2 〜2.4 〜3.7 〜4.9 〜6.1 〜8.6
〜100 10 10 8 8 4 4
〜200 10 8 8 4 4 4
〜400 8 8 4 4 4 4
〜600 8 4 4 4 4 4
〜800 4 4 4 2 2 2
〜1000 4 4 2 2 2 1/0
〜1400 4 2 2 2 2 1/0
〜1600 2 2 2 1/0 1/0 1/0

ゲージとはアメリカンサイズの配線規格でオーディオ用の+12V、GNDケーブルは殆どこのように表示されています。AWG#、gauge等

またケーブルのサイズですが日本では一般的にsq(スクエアとかスケアと言われる)と言う単位が用いられています。これは配線の断面積を元にしたものです。

ヒューズですがそもそもヒューズとは配線が短絡(ショート)した場合に機器や線を保護するために使用するものです。バッ直の場合バッテリープラス側から約30cm以内に設置するように言われています。また配線のサイズにあったヒューズを使用しなければなりません。ヒューズの容量に対して配線が太い場合は特に問題になりませんが(配線がオーバースペック状態)、ヒューズ容量に対して配線が細い場合は危険です。通常ショートした瞬間にヒューズが飛ぶようになっているのですが、配線が細い場合ショートしてヒューズが飛ぶまでに遅れ時間がありその間に配線が燃えてしまう危険性があります。安全性を見越してヒューズの容量に対して配線は少し太くしておいた方が無難でしょう。

参考資料

絶縁電線の許容電流

導体 電気設備技術基準公示29条 オーディイオカタログ audio-technica
呼び
sq
ゲージ
AWG
許容電流(A)
0.9 ≒18 17
1.25 ≒16 19 15 13
2 ≒14 27 25
3.5 ≒12 37 45 45
5.5 ≒10 49 60
8 ≒8 61 100 75
14 ≒6 88
22 ≒4 115 150 110
38 ≒2 162 225 140
50 ≒1/0 190 350

電気設備技術基準公示29条
上記の値は導体最高温度60℃、周辺温度30℃の状態である。

sqからAWGの換算(変換?)はあくまで近い値を示しているため実際の値とは多少の増減があります。

電気設備技術基準公示29条とオーディオカタログ値の許容電流に差が有るのは一般的にオーディオの場合この電流を常に(1日のうち十数時間)流すことは少ない、またオーディオの方は配線の本数が多い(1本1本が細い)と言うことが考えられます。

出力と電流の換算表

出力(W) 電流(A)
100 8.3
200 16.7
400 33.3
600 50
800 66.7
1000 83.3
1400 116.7
1600 133.3

このときの電圧は12Vとして計算


JIS C 3406-93 自動車用低圧電線(AV) 呼びのfはフレキシブルを示す

導体 ビニル
絶縁体
厚さ
mm
仕上外径 導体抵抗
(20℃)
Ω・m
参考
呼び
mm2
素線数/素線径
mm
計算断面積
mm2
外径
約mm
標準
mm
最大
mm
質量
g/m
1条の長さ
m
0.5f 20/0.18 0.5087 1.0 0.6 2.2 2.4 0.0376 8 100
0.5 7/0.32 0.5629 0.0327 9
0.75f 30/0.18 0.7630 1.2 2.4 2.6 0.0244 12
0.85 11/0.32 0.8846 0.0208
1.25f 50/0.18 1.273 1.5 2.7 2.9 0.0147 17
1.25 16/0.32 1.287 0.0143
2 26/0.32 2.091 1.9 3.1 3.4 0.00881 25
3 41/0.32 3.297 2.4 0.7 3.8 4.1 0.00559 39
5 65/0.32 5.228 3.0 0.8 4.6 4.9 0.00352 60
8 50/0.45 7.952 3.7 0.9 5.5 5.8 0.00232 90
15 84/0.45 13.36 4.8 1.1 7.0 7.4 0.00138 150 50
20 41/0.80 20.61 6.0 8.2 8.8 0.000887 220
30 70/0.80 35.19 8.0 1.4 10.8 11.5 0.000520 390
40 85/0.80 42.73 8.6 11.4 12.1 0.000428 460
50 108/0.80 54.29 9.8 1.6 13.0 13.8 0.000337 590
60 127/0.80 63.84 10.4 13.6 14.4 0.000287 680
85 169/0.80 84.96 12.0 2.0 16.0 17.0 0.000215 910
100 217/0.80 109.1 13.6 17.6 18.6 0.000168 1100

これは自動車用低圧電線の規格表です。線の太さがどれで、線の数が何本でその線の導体抵抗がどのくらいで…といったものです。


自動車用低圧電線許容電流 単位(A) 呼びのfはフレキシブルを示す

   周囲温度 ℃
呼び mm2
30 35 40 45 50 55 60 65 70
0.5f 13 12 12 11 10 9 8 7 6
0.5 14 13 12 12 11 10 9 7 6
0.75f 17 16 15 14 13 12 10 9 7
0.85 18 17 16 15 14 13 11 10 8
1.25f 23 22 20 19 18 16 14 13 10
1.25 23 22 21 19 18 16 14 13 10
2 31 29 28 26 24 22 20 17 14
3 42 40 38 35 33 30 27 23 19
5 57 54 51 48 44 40 36 31 25
8 74 70 66 62 57 53 47 41 33
15 103 98 92 87 80 73 65 57 46
20 135 128 121 113 105 96 85 74 60
30 188 179 168 158 146 133 119 103 84
40 210 200 188 176 163 149 133 116 94
50 246 234 220 207 190 175 155 135 110
60 272 258 243 228 211 193 172 150 121
85 335 318 300 281 260 238 212 184 150
100 399 379 356 335 309 283 252 219 178

備考
1.上記の値は導体温度80℃として計算したものである。
2.電流は直流の場合である

こちらの表は周辺温度により変わってくる許容電流の最大値を示したものです。45℃に色をつけているのは自動車で使用する場合におそらくこの温度を目安にすると良いかと思ってのことです。
許容値ということで安全に電流を流すことができる線の太さを決めるためのものですが、配線が長くなると当然電圧低下が発生します。

日本財団図書館(電子図書館) 電装設計・工事データ図表集
http://nippon.zaidan.info/index.html

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