スタビライザー

前項でスタビライザーはロールを減少させるものと述べましたがここではもう少し詳しく触れたいと思います。
スタビライザー(Stabilizer)とは船や飛行機の揺れを減少させる装置のことでこれを自動車に置き換えると横揺れ(ロール)を減少させる装置の事です。構造は1本の棒で左右のサスペンションのアームを繋ぐ事により片方だけが持ち上がる動きをするときに棒の捩れる反力を利用する事で押し下げようとする力を発生させるものです。
余談ですが、JZX100Chaserでは多くのグレードがある中フロントは全車装着されていますが、リアはTourerシリーズのみが装着されています。

ロールはスプリングを強化する事でも減少させることが出来ますが、それをすると直進状態での乗り心地が非常に悪くなってしまいます。そこで、スタビライザーを強化する事でロールを減少させつつも直進状態での乗り心地を損なわないようにさせると言う事が行われています。ロールを減少させる=ロール剛性の強化は安全性にも繋がるようです。ハンドリングレスポンスの向上、ステアリングコントロール性の向上、コーナリングフォースの向上、必要以上のタイヤのたわみを防止する等の車を安定させる効果があります。(オートリファインのHPで鈴木亜久里監督のインプレッションが見られます。)

しかしながら本来はロールを減少させる役目を果たすスタビライザーですが、実際に強化スタビライザーを装着すると若干ではありますが乗り心地が悪くなります。また、同時にショックの減衰力も少し高めなければなりません。
何故このようになるのかと言うと、タイヤと接触する路面は必ずアンジュレーション(段差)が存在します。と言う事は直進状態で左右のタイヤがまったく同じ動きをするのではなく僅かながら異なる動きをしていると言う事です。
このため・・・極端な話をすると左右どちらか一方のみ舗装路で反対側が未舗装路の路面を走る場合は未舗装路部分のタイヤの上下運動がスタビライザーで制限されることにより、車体には未舗装路の鉛直方向の振動がスタビライザー装着前より多く伝わるため、乗り心地が僅かに悪くなります。
車は走ってなんぼ(言い方ふるい?)なので一つのパーツだけを装着してよくなると言うものではなくトータルで見なければならずこれがチューニングの難しさとも言えるでしょう。

強化スタビライザー装着の
メリット
ハンドリングレスポンスの向上
ステアリングコントロール性の向上
コーナリングフォースの向上
トラクション向上
ドリフトにおいて高速域での飛距離向上
タイヤの片減り抑制
高速での直進安定性向上
車酔い抑制?

デメリット
乗り心地が僅かに悪くなる
厳密に言うとサスペンションのリセッティングが必要

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