自動車と言うものは全てバッテリーが無ければ走ることは出来ません。(その他にも絶対必要なものはありますが…)ガソリンエンジンは火花を発生させるため、副室式ディーゼルエンジンはグローランプを温めるため、その前にエンジンをクランキングさせるためのスターターを動かせるためにバッテリーは必要不可欠です。
ここではバッテリーの型式とその性能について考えてみたいと思います。
まずJZX100 1JZ-GTEには55D23Lというサイズのバッテリーが装着されています。これらの数値が何を表しているのかと言うと
・55 バッテリーの性能(数値が大きくなるほど始動性・容量が優れる)
・D バッテリーの短面側&高さのサイズ
・23 バッテリーの幅
・L -端子の位置(ターミナルを手前においてLの場合-は左側)
ということになります。
通常D23Lという英数字は変えることは無いでしょう。これを変えてしまうとターミナルに接続する+&−の線が届かないとかきちんと固定できないとかバッテリースペースに収まりきらないとか言う問題があります。これを知った上でぎりぎり入るサイズを取り付けると言うこともありますが…
変えるとしたら性能である55をもっと大きな値にするぐらいだと思います。
で、もう少し中身を細かく見るとバッテリーメーカーのHPには以下のような諸元表が掲載されています。
バッテリーサイズ (JIS) |
形式 | 5時間率容量 (Ah) |
CCA | 最大外形寸法(mm) | 電池質量液入 約(kg) 参考 |
||
長 | 幅 | 箱高 総高 |
|||||
A19 | 30A19R(L) | 22 | 230 | 185 | 125 | 160 175 |
7.4 |
B19 | 34B19R(L) | 27 | |||||
38B19R(L) | 28 | 265 | |||||
40B19R(L) | 30 | 270 | 185 | 125 | 200 227 |
9.3 | |
44B19R(L) | 34 | 310 | 10.0 | ||||
B24 | 46B24R(L) | 36 | 295 | 236 | 126 | 200 227 |
11.1 |
50B24R(L) | 325 | 11.5 | |||||
55B24R(L) | 370 | 11.8 | |||||
60B24R(L) | 38 | 405 | 12.7 | ||||
65B24R(L) | 445 | ||||||
D23 | 55D23R(L) | 48 | 320 | 230 | 169 | 200 225 |
14.5 |
65D23R(L) | 52 | 370 | 15.4 | ||||
75D23R(L) | 465 | 15.5 | |||||
80D23R(L) | 54 | 500 | 16.6 | ||||
85D23R(L) | 530 | ||||||
D26 | 75D26R(L) | 52 | 450 | 257 | 170 | 200 225 |
17.0 |
80D26R(L) | 55 | 490 | 17.5 | ||||
85D26R(L) | 525 | 18.6 | |||||
90D26R(L) | 58 | 550 | 18.9 | ||||
110D26R(L) | 64 | 670 | |||||
D31 | 95D31R(L) | 565 | 304 | 171 | 200 225 |
20.4 | |
105D31R(L) | 655 | 22.3 | |||||
115D31R(L) | 72 | 735 | 22.7 |
この中で5時間率容量というものはJISで定められた規格です。
これは満充電(完全充電)したバッテリーを規定の電解液温度(25±2℃)に保持し、バッテリー全容量の5分の1の電流を端子間電圧が10.5(V)に降下するまでに放電した放電電流量です。10.5(V)と言う電圧はバッテリーの下限電圧=おそらく容量が零になる電圧だと思います。
つまり55D23R(L)ならば48/5=9.6(A)の電流を5時間かけて取り出すことが出来ると言うことです。ただし、12(A)の電流を4時間取り出すと同じになるかと言うとそうではないようです。取り出す時間が短くなるほど取り出すことの出来る電流は少なくなるそうです。
この他に20時間率容量などがあるそうですが、JISでは5時間率容量が使われることになっています。
さらに言えば容量は同じ物を比べるとして5時間率のバッテリーと20時間率容量のバッテリーを比較した場合数値は同じでも前者の方が性能がいいということになります。
で、車を購入してから良いオーディオ(アンプなど)をつけたり、ネオン管をいっぱいつけたり、低速走行でヘッドライトを点灯する状態が多く続いたりするとバッテリーは上がってしまいます。通常はバッテリー容量が少ないために発生する問題です。オーディオを大きな音で鳴らし、ネオン管を点灯させ、ヘッドライトを点灯させ…と言う状態ではオルタネーターが供給することの出来る電流を越えてしまいこれらで消費する電流はバッテリーから供給されていくことになります。
単純に
・消費する電流<オルタネーターが供給する電流
ならばバッテリーの電流は消費されませんが、
・消費する電流>オルタネーターが供給する電流
ならば不足分をバッテリーが補うようになります。
この状態が長く続けばバッテリーの容量を越えたときにエンジンは止まってしまいます。このためバッテリー容量を大きくしてあげてエンジンが止まるまでの時間を延ばしてあげようということになります。
ん?でも、根本的な解決にはなっていませんよね。でも、フルに電気を消費する状態と言うのはそんなに長く続くわけではないので通常バッテリー容量を大きくしてあげることで対策としています。
非常に大きなアンプ(所謂音圧系)をずっと使う場合などはオルタネーターの発電容量を大きくすることで対策をするようですが…
また、バッテリーメーカーは少し前からハイパフォーマンスバッテリーと言うことでD23L(その前後に英数字がつく場合がある)等とバッテリーの性能の数字を表記していないものもあります。これはそのメーカーの作っているそのサイズのバッテリーの中で最も性能の高い商品をこういうような表示をしているようです。ほかの数字が表示されているバッテリーよりも高い金額になってるはずですが、性能も当然高くなっています。