LED ハイマウントストップランプ

ハイマウントストップランプは以前からLEDを使ったものが出ています。値段は確か1万円ぐらいだったと思います。
でも、市販のものを使うと既存のものは取り外すことになり後の処理をどうするか(パネルを買ったりスモークの切抜きを埋めたり)が問題になってしまいます。と言うことでこっちの方も設計してみることにします。白熱球からLEDに変更する際にストップランプと言う場所を考えると光束を確保すると言う前提で安全面での効果がもっとも大きいと考えられます。白熱球は電流が流れて発光するまでに遅れ時間が存在します。LEDでも当然遅れ時間は存在しますが聞くところによると白熱球のそれとは比べ物にならないほど短い時間だそうです。


まず、ここで使用している球はウエッジタイプT15 21000[mcd] 264[lm]です。


ストップランプは保安基準上からも安全面からも非常に重要なのでこれまでと違う計算方法を使おうと思います。この球の場合、まず光束は全方向に21000[mcd]の光度を発生しており合計が21000×10-3×4π=264[lm]となっています。このため光度を概算で264000[mcd]以上の確保を条件にしておきます。
ハイマウントストップランプはカバーの表面が散乱版のようになっているのである程度その効果を発揮してくれるとしてLEDの種類を決めたいと思います。本当ならば散乱版は赤色なので白色LEDが良いのですが、条件を満たす光度を発生するには41個のLEDが必要になりコストが非常にかかってしまいます。仕方が無いので赤色LEDで大きな光度を発生するものを探してみると東芝のTLRH190P φ10 19,000[mcd] 4[°]がありました。これならば定格で使用したとしても14個あれば条件を満たすことが出来ます。ただし、角度が非常に狭いためLEDの設置角度を調節する必要が当然出てきます。


電流制御はCRDを使用してもいいのですが、電流を決めやすいカーボン抵抗を使用することとします。その理由は白&青色LEDと異なり製造誤差が少ないためです。この際のLED接続数は光度は大き目を狙うことと、抵抗1個でなるべく多くのLEDを直列接続したいことから6の倍数分LEDを使用するとすると、合計18個を使用することにします。このときに抵抗が消費する電力は0.072[W]なので3列(直列6個接続)を並列接続しようと思えば可能です。抵抗にかかる電力は2.4[V]×30[mA]×3=0.216[W]なので1/4[W]カーボン抵抗の定格を下回りますが、念のため1列に1つの抵抗を使用することとします。当然逆接続破損防止用に整流用ダイオード(1[A])は回路に組み込みますが、こちらの方は3列の回路を並列に接続しても多分大丈夫でしょう。


また、LEDは一般的に自動車の使用時間に対してオーバースペックとなるので仕様書に掲載されている周辺温度と定格電流の関係と光度と電流の関係から使用最高温度は60[℃]としその条件における定格電流である30[mA]をハイマウントストップランプでの定格電流とします。ここで使用最高温度を40℃とするならば40[mA]が定格となるのですが、真夏の炎天下でのLED周辺温度がわからないのでやはり60℃としておきます。このときの光度は約28000[mcd/個]になります。


と言うことはLED18個使用で一つが28000[mcd]の光度を発生するので概算で504000[mcd]の光度が得られることになります。これは実にHID単体(反射板なし)での光度の2.3倍に匹敵し、これが全方向まんべんなく広がると仮定するとウエッジタイプT15の2倍弱に相当します。
ハイマウントストップランプに装着した時点で実際にどうなるかは考慮できません(散乱版より車体前方の透過率が不明)が、単純に組み立てた状態では局所的にウエッジタイプT15よりも明るくなることは確実と考えられます。


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