各発光体とLEDの比較

LEDは電気を光に変えるときの効率が非常に高く今後蛍光灯に代わる照明として期待されています。消費電力を非常に少なくすることが出来るものの、現在のLEDでは光の絶対量が少ないと言われています。
このため光量を確保するために寿命をある程度犠牲にして光量を増加させるかLEDの個数を増やす対策がとられていますが、各発光体と比べてどのくらい差があるのかをここでは考えてみたいと思います。また、その結果より自動車に使われている電球をLEDと置き換えるためにはどの程度の性能の物が必要なのかや個数を考えてみたいと思います。


家電製品である照明は光の量をlmで表されており、また消費電力とあわせてlm/Wと言う単位で電気を光に変える効率を表すのが一般的みたいです。


蛍光灯

蛍光灯の大きさにより効率はさまざまですが、おおよそ70〜100lm/W程だそうです。


白熱電球

一般的な白熱電球の緒元下の表のようになっているようです。少し設計の古い蛍光灯と比較すると効率は約1/5となり、いわゆる100W電球の明るさが20Wの蛍光灯と同じと言われていたのと一致します。
これも型式(消費電力)により効率はさまざまですが、おおよそ10〜15lm/W程だそうです。


HID

一時は高級車のみに装着されることが多かったHIDですが、最近は多くの車に装着されています。余談ですがJZX100は日本で初めてHIDを標準装着した車だそうです。
HIDはハロゲンバルブに比べて極端に効率がいい(効率の良い蛍光灯と同程度)事がわかります。6割程度の消費電力で明るさ2倍と言うのが上の表から読み取れます。
ハロゲンバルブについて何処のハロゲンバルブを計測したのかわかりませんが、HID色のハロゲンバルブにすると通常言われている“暗くなる”と言うことが具体的な数字として現れています。ただし、通常の白熱電球と比べるとハロゲンバルブは効率が良くなっていることがわかります。その効率はおおよそ16〜25lm/W程だそうです。


蝋燭

蝋燭の明かりは古くから使われておりそのためこの光が以前は光の量を決める基準になっていたそうです。その効率はおおよそ1lm/W程だそうです。


LED

さて本命のLEDですが、緒元はメーカーのほうにあることはあるのですが、LEDの光の明るさを表す単位は通常cdを用いているため単純に比較することは出来ません。指向性の強い光なのでcdを使うのは当然と言えば当然なのですが・・・
仕方がないのでHPを検索すると以下のように一例があげられていました。


5000〜6000cdの白色LEDを78個使用すると20W蛍光灯とほぼ同一の照度が得られる。
120個使用すると100W白熱電球よりも照度が高くなる。
この場合1m-1000lx以上、10m-10lx以上の結果が得られた。


白色LEDを100個使用すると20W蛍光灯と同程度の明るさになる。
(おそらく照度計測などはせずに見た目の印象によるものと推察される)


TOYOTA VITZのストップランプはLEDを片側12個(左右で24個)使用している。
NISSAN V35 SKYLINEのストップランプはLEDを片側18個(左右で36個)使用している。
GT選手権のR34 SKYLINE GT-RのストップランプはLEDを片側30個(左右で60個)使用している。


2003年7月15日に松下電器よりLEDを使用した家庭用照明が発売された。
白色LEDを12個使用して消費電力を3.6Wとしながら光束20lmが得られた。
電球色LEDを12個使用して消費電力を3.6Wとしながら光束12lmが得られた。
20mm×20mm平面状にLEDを64個使用して光束120lmが得られた。


注:但しいずれもLEDのスペックならびに使用電流は不明。使用時間が限られていると仮定すると電流は定格値の2倍程度と推察されるが・・・

これらを大まかに見ると高効率白色LEDを使用するとLED1個で白熱電球約1.2W分(但し2003年10月現在)の照度が得られる計算になります。でも、今回の計算はあまり当てにならないかも・・・ また、この場合LEDを使用すると白熱電球と比べて消費電力を20%程度に押さえられるでしょう。


さらに効率で言うとLEDは白熱電球の500%、ハロゲンバルブの200%、一般的な蛍光灯と同程度であると言えるかと思います。2003年初頭のLEDの効率はおおよそ15〜20lm/Wですが、2003年中に35〜40lm/Wまで引き上げるのが目標だそうです。


しかしながら、ポジションランプ(5W)を1個使用のLEDに交換すると暗いと言われているのはこのためでもあります(照度が白熱電球1.2W分しかない)。さらにポジションランプは白熱電球だと光が散乱するのでリフレクターに反射し前方から視認出来ますが、1個使用のLEDだと明るさが足りない上光が散乱しないので照射範囲外では非常に暗く見えるのです。


LEDは非常に指向性の強い発光体なので光を散乱させる為には工夫が必要となります。白熱電球の代替品としてLEDを使用するには十分な照度を確保した上で、光をあまり遮断させずに散乱させるよう散乱フィルムを使用したり、LEDの配置を配光を考え設置するなどの対策が必要となるでしょう。


まとめ
単純計算と言うことを念頭におくと高効率白色LED(約5500cd)を使用すると1個で白熱電球約1.2W分の照度が得られる見積もりになりました。ただし、あくまで単純計算ですが・・・
しかしながらLEDの照度データがまだ手元に十分そろっていないのでこれをご覧になっている方は“ふ〜ん”ぐらいに考えられたほうがいいと思います。多分間違っていると思うので・・・m(._.)mゴメンナサイ


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