LED接続回路(単純計算)

LEDには定格電圧と定格電流があります。連続使用する場合はこの値を超えないようにしなければLEDが破損してしまいます。当然そのまま車のライトとして使用することは出来ず何らかの方法で電圧を下げた状態でLEDを接続しなければなりません。


自動車に使う場合、バッテリーの電圧は通常の計算や一般的には12Vと言われていますが、エンジンが作動しているときはオルタネーターで発電しているため一般的に14.4Vとなります。また、ヘッドライトを点けたり、エアコンをつけたり、オーディオをつけたりすると電圧は変動するしエンジン回転数によっても電圧は変動します。
通常LEDにかかる電圧を計算する場合は最高電圧である14.4Vを基本にするはずです。こうすることで最高電圧がかかっても壊れることはありませんが、電圧が下がったときにLEDの光が暗くなったり点灯しない事もあるそうです。じゃあどうすればよいのかと言うと最も簡単な方法はCRDを使用することです。まあ最終的にはプロトタイプを作って点灯試験、耐久試験を行うことになりますが・・・


これからの図面ではLED、CRD、抵抗などを下の記号を用いて表すことにします。


CRD(定電流ダイオード)

変動する電圧に対しても一定の光量を確保したい!と言う場合はCRDを使うと非常に簡単です。ただし、抵抗に比べると値段が高いのとつなぐことの出来るLEDの数が限られるのが短所と言えば短所ですが・・・それと+-を逆に接続すると壊れるので十分な下調べと注意が必要です。
また、LEDの定格電流は殆ど20mAあるのに対してCRDの電流は15mAがピークとなり緒元どおりの光度は出なくなります。大まかに計算すると25%光度が減少するようです。
と短所を述べましたが少し調べてみるとLEDを使ったストップランプやウインカーなどを自作されている方は殆どCRDを使用しています。それだけ明るさを確保しやすいと言うことでしょう。また、LEDへ流れる電流を一定に保てるのでLEDの長寿命化にも貢献するそうです。


繋ぎ方の例ですが3.6V20mAのLEDを使用する場合通常接続は直列となり

の3つのパターンがあります。


このときCRDは同じ物ですが、その特性からLEDが3個以下ならば1個からでもつなぐことが出来ます。抵抗だとこうはいき ません。LEDを3個使ったものと同じ抵抗値のものをLEDを1個使ったものに使用すると、後者の方のLEDを確実に破壊してくれます。破壊すると聞こえはそれほど悪くありませんが、最悪の場合爆発するそうです。
LEDを3個使う場合直列ではなく並列も考えられますが、直列接続の消費電流に対して並列接続では3倍発生する点と、CRDの値段を考えると可能な限り直列接続にするようです。
なにやら裏技として10mAのCRDを並列につなぎLEDに20mAの電流を流すことが出来るそうですが、双方の隙間に注意し十分な放熱を考えなければならないそうです。


抵抗

CRDを使用してLEDを点灯させる以外に抵抗を使用する方法があります。抵抗は安い代わりに使用するLEDの個数にあわせて使用する抵抗値を計算しなければなりません。ただし、CRDと異なり逆に接続しても壊れることはありませんが・・・
このページはここからが本番です。と言ってもぜんぜん難しくないので安心してください。


その前に小学校で習ったオームの法則をおさらいします。
E=IR
E:電圧(V)、I:電流(A)、R:抵抗(Ω)でしたよね?
また自動車の最高電圧は14.4Vとしておきます。


例えば3.6V20mAのLED1個を定格でつなぎたいと言う場合、LEDにかけることの出来る電圧は3.6Vと決まっているので残りを抵抗でまかなわなければなりません。また、LEDに流すことの出来る電流は20mA以下でなければなりません。
と言うことはどうするかと言うと R=E/I よりバッテリーにかかる電圧からLEDの定格電流(複数個を直列につなぐ場合はその個数倍する)を引いて、その値を電流値で割ればよいと言うことになります。


つまり、
(14.4-3.6)/(20*10-3)=540(Ω)
となり540(Ω)の抵抗をLEDと直列に接続すると良いと言うことがわかります。


ただし、安全マージンを少し取る意味で計算で出た抵抗値よりも10〜30(Ω)大きな抵抗を使用する方が安全でしょう。下の図面では計算で出た抵抗の値よりも10〜30(Ω)大きな値を書いています。


注:あくまで単純計算上の話なので抵抗が少ない場合は実際には電流変動が非常に大きくなるようです。このため4個直列時の10〜30[Ω]などを使用すると+14.4[V]から僅かに電圧が変動しただけで光度が極端に減少したり電流が多く流れすぎてLEDの破損などにつながる可能性があるようです。詳しくはLED接続回路をご覧ください。


つなぎ方の例は

となります。


抵抗は大きいほうがLEDが発熱した場合の電流安定性に優れますが光度はわずかに減少します。


また、1.9V20mAのLEDを使用する場合は

  • 1個:(14.4-1.9)/(20*10-3)=625(Ω)
  • 2個:(14.4-1.9*2)/(20*10-3)=530(Ω)
  • 3個:(14.4-1.9*3)/(20*10-3)=435(Ω)
  • 4個:(14.4-1.9*4)/(20*10-3)=340(Ω)
  • 5個:(14.4-1.9*5)/(20*10-3)=245(Ω)
  • 6個:(14.4-1.9*6)/(20*10-3)=150(Ω)
  • 7個:(14.4-1.9*7)/(20*10-3)=55(Ω)

となります。


初めてLEDを使って自作をする、抵抗計算(回路設計)が面倒だ、電圧変動による光度変化を押さえたいなどという場合はCRDが非常に有効的です。ただし、LEDの性能をフルに発揮させるには少し工夫が必要となります。
電圧変動についてピーク近くの電圧を殆ど使用する、LEDの性能をフルに発揮させたいと言う場合にはやはり抵抗を使用するしかありません。ただし、すこし計算が複雑になりますが・・・


内容についてもっと詳しく知りたい場合はオーディオQさんのHPなどを参考になさると良いと思います。


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