LED接続回路

LEDの接続回路並びに抵抗値についてはLED接続回路(単純計算)で考えましたが、実際の回路では計算通りの電流が流れないようです。オーディオQさんのHPによるとCRDを使用した場合でもカーボン抵抗を使用した場合も計算より電流の量が多い方向に変位するようです。
ここでは私が見ていたカタログスペック以外のスペックまで見て実際の回路での電流値を推察してみたいと思います。


CRD

カタログの動特性からはE-153では13[mA]、E-103では9.5[mA](通常2個並列接続するので19.0[mA])が最大値と掲載されていました。しかしながらオーディオQさんの実測データによると前者は大きな電流が流れるようになっていました。(後者についてはほぼ同じ)
また、動特性ではLEDを3個直列に接続した場合に供給電圧が12.0[V]になった場合2.8[mA]なのに対してもっと電流が流れるようになっていました。実測データの詳細については無断転記するわけにいかないのでオーディオQさんのHPをご覧ください。


ただし、私の設計した回路(と言うか通常自作される皆さんが設計している回路)では整流用ダイオード(これにより電圧降下が発生する)を使っているのですが、オーディオQさんの実測データでは整流用ダイオードを使用されていないようです。ウエッジバルブは+、−を簡単に入れ替えて接続できるので整流用ダイオードを回路に組み込んだ実際使用する回路での実測データをHP上で提供してくれることをユーザー代表として望みます。あっちなみにこれを書いている時点(2003年11月5日)での話です。


何故このような結果になるのかを私のわかる範囲で考察してみたいと思います。
原因としてテスターの信頼性、CRD動特性の誤差、LEDの誤差等が挙げられます。
テスターの信頼性については元々100%信頼できるものでは無く数%(十数%?)の誤差を含んでいます。
CRD動特性についても必ず誤差を含んでいます。E-153の2[mA]がその誤差かどうかについてですがこれは実に15%になります。
LEDについても必ず誤差を含んでいます。定格電圧が低い場合は供給電圧が同じならば回路電流はその特性から増加する傾向にあります。また、これまでは見ていなかったのですが電圧と電流の関係を見ると片対数表になっており電流値が20[mA]を越えたあたり(at 3.6[V])から僅かに電圧が変化してもそれまでと比べて極端に電流が増加するようです。
と言うことはどれか一つが影響しているのではなくそれぞれが影響しあって実測値のようになったと考えられますが・・・


抵抗

抵抗の場合はCRDと比べて電流変化が極端に出ています。まあ電圧変化を抵抗で請け負うので当然ですが・・・
極端な場合としてLEDを4個直列接続した場合を挙げますと供給電圧が14.4[V]の場合LEDの定格電圧が3.6[V]だと14.4-3.6×4=0なので抵抗が必要無いことになりますが、試験回路では抵抗を使用しないとLEDの定格電流をオーバーするのでLEDの破損につながる恐れがあります。
また、LEDが3個の場合では計算上抵抗は180[Ω](at 20[mA])で良いのですがこのままでは定格電流をオーバーしてしまいます。


この原因はCRDの場合と同様にテスターの信頼性、LEDの誤差、カーボンの誤差等が挙げられます。
テスターの信頼性、LEDの誤差についてはCRDの方で述べたので割愛させていただきます。
カーボンについてですがこちらも必ず誤差を含んでいます。この抵抗値についてはテスター(こちらも誤差を含んでいますが・・・)により計測することが出来るので誤差の少ないものを選んで使用することが出来ます。


一般的に計算から得られた抵抗値からすこし大きいものを使用したほうが電流安定性に優れると言う理由はLEDで消費する電圧の残りを抵抗で消費しそこから電流が得られるためです。それにしても電流が多いような・・・
こちらもCRDと同じくどれか一つが影響しているのではなくそれぞれが影響しあって実測値のようになったと考えられますが・・・


CRD&抵抗の2つを踏まえると私の独断と偏見ですがLEDの誤差が大きな割合を占めているような気が・・・
と言うことで回路を設計する場合はぎりぎりを狙うのではなく必ず安全マージンを残した上で設計する必要が出てくると言えるでしょう。エンジン、ミッション、デフ等の設計と一緒ですね。


う〜む結構難しいですね。ぎりぎりを狙うのならば絶対抵抗の方が良いのですが製作した物について全数電流計測をして必要があればLED若しくは抵抗を交換する必要がありそうです。
推測の域を出ませんがLEDの直列接続数が少ない場合はLEDの消費電圧が少なく、逆に多い場合は消費電圧が多い傾向になるのでしょうか?動特性によりLED温度が変化すると当然消費電圧も変化しますが、この場合温度はあまり関係ないような・・・
そこまでするのは面倒だ!と言う場合はCRDを1個若しくは2個並列接続した方が絶対良いです。LEDの消費電圧が変化したり供給電圧が変化しても規定の 電圧を流しつづけられるので良い事尽くめですが、大量に使用するとコストが・・・大量に使用する場合(例えばハイマウンドストップランプ)は別の安定化電源を使用したほうが良さそうです。


因みに電流値が減少するとLEDの明るさは当然減少しますがLEDの諸元表にある電流値と明るさの関係を見ると通常の表なので無理やり1次近似をするとE-103×2は電流値が20[mA]で定格どおりの明るさが得られますが、E-153の15[mA]ではE-103×2の25%減程度になります。このときの明るさは当然光度なので人間の見た目でどう変わるかという話ですがオーディオQさんの画像を見る限りちょっとだけ暗くなったのかな?と言う感じです。


あちこちの白熱球をLED化しよう!しかもLEDは定格ぎりぎり仕様で!と考えていたのですが、必要以上の寿命は求めていないのですが、白熱球のような使用時間(場合によってはそれ以下)になってしまうのも考えものです。もう一度設計を根本から考え直した方が良さそうですね。やっぱり電気系は良くわかりません。


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