エンジンオイルとは

エンジンオイルには以下のような性能が求められています。

減摩作用(潤滑作用)
ピストンリングとライナーなど金属同士が摩擦することなく滑らかに運動させる。

冷却作用
各種ベアリングなど金属同士の接触部分の温度が上がり過ぎないようにする。

腐食防錆作用
金属の表面を覆うことにより腐食や錆びを防止する。

密封作用
ライナーとピストンリングの間に存在し燃焼室の爆発力が逃げるのを防ぐ。

洗浄作用
金属表面についたごみを取り除いたり、ごみなどの金属表面への滞留を防ぐ。

これらを満足するためにエンジンオイルには様々な添加剤が含まれています。逆にいうとエンジンオイルは添加剤無でこれらの性能を満足するのは通常困難であるといえます。

その(エンジン)オイルの中身ですが大まかに分けるとベースオイルといわれるオイルの大部分を占める成分と、添加剤の2つと言うことになります。添加剤で成分を調節するのですが、あくまで調節なのでその性能を極端に変えることは出来ません。高温時の粘性を向上させるために使われていたポリマーが代表的ですね。
ひとつ上の文章と矛盾しているようですが、添加剤は性能を調節するための味付けで、味付けをすることで性能が2倍等になると言うことは無いということです。分かりやすく言うとポリマーをたくさん入れることで10W-30のオイルが15W-60などになることは一般的に無いということです。まあ粘度だけをそこまですることは可能かもしれませんが、ストリートで使用に耐えるものにはならないでしょう。


ベースオイル
と言うことで次はその大部分を占める重要なベースオイルについて考えたいと思います。
現在オイルに使われているベースオイルは鉱物油と合成油に分けられます。

鉱物油
鉱物油は原油を精製して得られたオイルで、値段の安さから一般的に広く用いられています。合成油と比べて処理をせずにすむためコストが下がる。
聞く所によるとアメリカのペンシルバニア産のパラフィン系鉱物油と言う物は機械の潤滑に非常に優れており、エステルを凌駕するとも言われているそうです。また鉱物油になりベースが優れたオイルなので余分な処理をすることが無く価格も非常に安いそうです。
ですが、石油資源なので枯渇問題が当然あります。ベースが優れたものを使うと安くなるが、手に入りづらくなる→化学反応で作ると言うのは当然と言えば当然の流れなのかもしれません。と言うことで高性能オイルは殆どが合成油と言うことになります。
まあ製造ラインさえ作れば(それが一番大変なのですが)ある程度大量生産できるようになるので企業としても安定供給(入手)を重視しますね。
私は全く知りませんでした。アメリカの鉱物油?値段も安いしどうせたいしたこと無いんじゃないの?日本の方が良いでしょう〜と考えていましたが大間違いでした。ちなみにペンシルバニア以外の産油地ではナフテン系を多く含んでいます。ナフテンはパラフィンと比べて潤滑性能が全く異なり(劣る)ます。日本では中近東から原油を輸入しており、この地域はナフテン系を多く含んでいるためベースオイルの性能としてはかなり劣ります。このため様々な処理を施さなければならずペンシルバニア産パラフィン系鉱物油に比べるとコストが高くなります。それでも合成油に比べると安い。

合成油(化学合成油)
鉱物油はコスト面から一般的に使われていましたが、オイルにより高い性能を求めた結果、原油を精製して得られたナフサを化学的に処理して得られる合成油というものが出てきました。元は原油なのですが精製で得られた成分をさらに処理することで求める性能を得ることが出来たのですが、処理することでコストが上がるため高性能オイルに使用されます。
現在合成油は…長くなりそうなので合成油のページをご覧ください。

部分合成油・半化学合成油
ベースオイルは鉱物油と合成油の2つと言いましたがそのほかに半化学合成油とか部分合成油等と言われるオイルがあります。これは鉱物油よりも性能を求めたいが合成油ほどコストはかけられないと言うことで、この2つを混ぜ合わせたオイルがこのように言われています。
このため純粋な化学合成油は100%化学合成油などと言われています。
ちなみに半化学合成油と聞くと50:50の混合のように思いがちですが合成油は30%以下が多いようです。このため部分合成油と言ったほうが正確ですね。

性能面(コストも)から言うと
中近東などの鉱物油<半化学(部分)合成油<(化学)合成油
となります。


あと非常に参考になるのが車のエンジンオイルと添加剤のホームページです。是非ご覧ください。

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