Pioneer(Carrozzeria)

Pioneerからはフロントの4つ(片側2つ)のスピーカーの音の出るタイミングを微妙に変えることのできるデッキが(まあ普通に買える物で)2種類あります。1つは2DINのFH-P099MDともう一つは1DINのDEH-P099です。カタログを見ると“3ウェイデジタルネットワーク”というところに印がついているモデルです。
この2つは当然今までと同じようにフロントとリアで同じ音を出すことも出来ますがそれをやっていると大変勿体無いです。このデッキの持つ性能を半分も使ってないと思います。
余談ですがPioneerは最高のモデルに“9”の数値をつける傾向になるようです。


まずこの2つのデッキには本体側面にノーマルモードとネットワークモードの切り替えスイッチがついています。前者の方にすると今までと同じような音に、後者の方にすると今までとは全く異なった非常にいい音が出てくれるようになってきます。
カタログを見るとこのモードにした場合“オートタイムアライメント、オートイコライザー、SFC、ポジションセレクターのALLモード、フェーダーは使用できません”と書かれておりこれらの機能が使えないのはちょっと…と言う気がしますがセッティングをすることでこれらを使用するときよりも良い音が出てくれるようになります。言い換えるとこれらの機能はノーマルモードにした場合のお手軽まあまあ良い音使用、ネットワークモードは一歩進んだもっと良い音仕様ということになります。


3ウェイネットワークという言葉の意味ですがこれはツイーター、ウーファー、サブウーファーの3つのスピーカーの音をそれぞれハイパスフィルター、ローパスフィルターを使いそれぞれのスピーカーにあった周波数の音を送ると共にそれぞれのスピーカーの位置を運転席から均等にするように信号の出るタイミングを微妙に変えることができるものです。


接続方法(ネットワークモード)

ネットワーク接続モード 当然スピーカーの接続方法もノーマルモードと異なります。
配線の概要は右の図のようになります。
DEH-P099を例に取り上げていますが、FH-P099MDでも一緒です。
確かフロント右を運転席側ツイーターに、リア右を運転席側ウーファーに…とまあ詳細は説明書を見てください。
この場合デッキからツイーター、ウーファーまでは新しい配線を引き直すことになります。
一応サブウーファーへの配線は1本にしていますが、DEH-P099からはRCA出力しかないのでアンプ内臓のサブウーファー等を購入する必要があります。

この接続方法をマルチとかネットワークモードなどと言います。


セッティング

デッキをつけて配線が終了した!で終わりではありません。このデッキは3ウェイネットワークモードが搭載されているのでセッティングが重要になります。セッティングはアクティブネットワークの設定とタイムアライメントの設定になります。
その際に必要なのが音あわせ用モノラルCDですが、これは自分で作ることも出来ます。詳細はリンク先をご覧ください。


アクティブネットワークの設定

大まかにはスピーカーについているパッシブネットワーク(ハイパス・ローパスの周波数が固定されているもの)を参考にしてデッキに入力してやるのですがパッシブネットワークはあくまで大まかにしか周波数を調節できないので音を聞きながらそのスピーカーの持つ性能を十分に引き出してやれる周波数帯域をそれぞれのスピーカーに与えてやるようになります。


タイムアライメントの設定

ホームと異なり車ではウーファーとツウィーターの位置が離れ、また左右のスピーカーの位置が運転席から不均等になっています。音は約360[m/s]で伝わるのですが各スピーカーの位置の微妙な違いがステージングに悪影響を及ぼしてしまいます。そこでデッキ内部で各スピーカーの音の出るタイミングをデジタル処理を施すことで遅らせてやり、あたかもホームで聞いてるような音場を作ることが出来ます。具体的にはPioneerの場合リスニングポジションを運転席にし、運転席から各スピーカーまでの距離を計測しその値をデッキに入力していくだけです。
とは言うもののスピーカーまでの距離はあくまで参考値になります。車はシートやドアの内装、硝子などがあるため計測距離を入れただけでは十分ではありません。最終的には音を聞きながら各スピーカーの距離を変えていきベストな値を試行錯誤して得るようになります。


ここまでがんばってやると今までのデッキとは比べ物にならないほどいい音が出てくれるはずです。最終的には人間の耳(と経験)が頼りになってきてしまいますが、デッキとはいい音を作る道具に過ぎないということですね。道具は使い方で良くも悪くもなるということです。
でこれ以上を求めるのならばウーファーの固定の方法、デッドニング、外部アンプ搭載e.t.c.をしなければならなくなってきます。


もうちょっとハイグレードなモデル(DEX-P01U&DEQ-P01U)

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