BLOW OFF VALVE

ブローオフバルブはターボ車に純正装着されています。
純正ブローオフバルブは音、エンジンストール、e.t.c.を考えて戻り配管にしています。
Chaser(JZX100系 TourerV)の純正品は非常に出来がよくターボチャージャー交換をしても使用できるらしいです。(雑誌に載っている有名メーカーは純正品を使用しています)
しかし純正品は緩加速中に開くためフィーリングが悪化すると言われています。


ブローオフバルブがついている理由は呼んで字のごとく,タービンブローを防ぐためです。
これが無いとアクセルを抜いたときにターボチャージャーのコンプレッサーで加給された空気の行き場が無くなり、コンプレッサーに戻ってしまいます。(ちょっと詳しく言うとターボチャージャーの循環風量の減少が起き、極端になるとサージングが起きる)


サージングという現象はコンプレッサーのフィン(羽根)表面から空気の流れが剥がれる(層の剥離)ために、爆発音を伴ったターボチャージャーの急激な回転数が減少するということ(だったかな?)です。
ターボチャージャーが大きくなるとサージングが起きたときの爆発音も大きくなり、船のエンジン(世界最大)のサージングは文字通り爆発したのかと思うぐらい(小さなダイナマイトの爆発ぐらい)の音です。


このためコンプレッサーや軸受け(ターボチャージャー)に設計以上の負荷がかかり、壊れる可能性があります。
これを防ぐためには圧縮空気をコンプレッサーに戻さなければ良いという発想からバルブをつけて空気を逃がしてあげれば良いと考えた方がいます。(誰かは知りません)


純正ブローオフバルブ-ABV(Air Bypass Valve)

純正品はこのような形をしており、DENSO製です。

裏から見ると右の写真のようになっています。シール部分はゴムで出来ており圧力がかかっても開かないような構造です。
もうちょっと言うと、過給したエアはAVBの筒(左の写真で言うと右下に、右の写真で言うと左に向かっている筒)から入り、圧力が高くなればピストンを押し下げる力が発生します。ピストンが押し下げられればシール部の面圧が高くなり(面圧が高くなる⇒シール性が良くなる)高い過給圧にも耐えられるということです。
社外のブローオフバルブの動作原理とは異なり作動エアが入る(作動室が正圧になる)とブローオフバルブが開くようになっています。圧縮空気は左の写真で言うと“TOYOTA”のシールの真下、右の写真で言うと奥に黒と金色?の見える筒からエアクリーナー下流にあるタービン上部の“エアチューブNo.1”へと逃げます。


アクチュエーターの動作原理に似ているのかな?ただしこっちは圧力が常に伝わって純正ならば89.3[kPa]で開き始めるから・・・ブーストコントローラーを装着した状態と一緒ですね。


純正ブローオフバルブ作動圧力は13.3kPa(0.14kgf/cm2)です。
通常、社外のブローオフバルブは圧力差により作動しますが、Chaser(JZX100系 TourerV)の場合VCV(Vacuum Control Valve)により電子制御されています。
VCVへの信号はIGをONにすると常時9〜14Vが出ていて、5000rpmからアクセルをOFFにすると1秒間0〜3Vになり、その後9〜14Vにもどります。つまりVSVへの信号が0〜3VになったときABVが作動するようになっています。
その信号はECU(Electronic Control Unit)から出力されるため、信号を変更する事は難しそうです。
また、信号は正確に出ているにもかかわらずVCV(ABV)が設計思想どおりに動作していないならば少し考えなければなりません。
以下独断と偏見に満ちた考えなのであまり深くまで読まないで下さい(笑)。


ABVの動作が良くない場合
ABVは上記のように過給圧が高くなるにつれてシール性が良くなる構造のため、どうしようもありません。


VCVの動作が良くない場合
VCVへの信号が出ていないにもかかわらずABVが作動していると言う事は、ABVへ圧力が伝わってしまっていると言う事になります。
と言う事はVCV内部のシールが不足してると言う事になるので、根本的にはVCVを純正品から変更しなければならないでしょう。
簡易的にはゴムチューブの中にオリフィスを入れると作動が変わりそうですが・・・


BLITZ SUPER SOUND BLOW OFF VALVE

純正品に不満は無いのですが,安かったので買ってみました。
このころのブローオフバルブは圧力がかかったときに抜けてしまうとかいろいろ言われていますが、今のところそのような症状は出ていません。(ブーストアップすると、とたんに出るらしいです)


取り付け説明書にのっとって取り付けました。場所は・・・わかりますね。エンジンルーム運転席側奥の純正品がついているところです。


ちょいアップ画像です。まだデジカメを使いこなしていないためややピンボケ気味です。(ご了承ください)


空気の出口は下に向けています。(というか向いています)
ファーストインプレッションは、“おっけっこう音が出てる。恐さ当社比1.5倍?“というような感じで、セダンらしからぬ音になりました。
普通に走ってる分にはブーストが掛からないので音はしません。
ちょっとアクセルを踏むと小さなタービンのおかげですぐにブースとが掛かり、”プシャーン“という音がします。
後ろを走っている車にはブローオフの音はあまり聞こえないそうです。(マフラーの排気音が大きすぎる)
まあ、これは有っても無くてもいいパーツです。
という事で2002年4月28日に純正品に戻しました。


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