ENDLESSキャリパー流用

市場に出回っているキャリパー流用キットを装着した場合のブレーキバランスを検討してみます。リアキャリパーはバランスを考えてJZX100ではなくJZA80とします。
まずパッドの摩擦係数μは0.4、定数kは0.8(多分間違ってます)、P:圧力としておきます。
また、路面とタイヤの摩擦係数は1.0、等減速曲線は1.0Gの場合としておきます。

ENDLESS 4pot&純正ローター装着(カタログ落ちしているようです)
キャリパーピストン径 φ26+30(from inner edge of ring) φ38+41(from outer edge of ring)

ブレーキシリンダー面積 SF1=4909mm2(フロント) SR1=2564mm2(リア)
ブレーキローター有効制動半径 rF1=120mm(フロント 推定) rR1=136mm(リア 推定)
タイヤ有効制動半径(例) RF2=319mm(225/40-18) RR2=318mm(255/35-18)

ENDLESS 4pot(Front)+JZX100(Rear) ENDLESS 4pot(Front)+JZA80(Rear)
Front (590.9×10-6)×2×P (590.9×10-6)×2×P
Rear (177.1×10-6)×2×P (354.8×10-6)×2×P
Barance 76.9:23.1 62.5:37.5

となります。これからグラフを書くと次のようになります。

前後JZA80キャリパー+JZX100マスターシリンダー 前後JZA80キャリパー+JZA80マスターシリンダー
ENDLESS 4pot(Front)+JZX100(Rear)+JZX100マスターシリンダー
キャリパーのブレーキバランスから予想はついていましたが、フロントよりのブレーキバランスになっています。
バランスはフロントにのみJZA80キャリパーを移植したのと似ていますが、こちらの方がピストン面積が小さいため少しリアよりのバランスになっています。
しかしながら理想制動配分曲線から離れているため絶対的な制動力という点からはあまりよくないと思います。
また、ブレーキローターが純正のままなので耐久性にも不安があるのではないでしょうか?
ENDLESS 4pot(Front)+JZA80(Rear)+JZX100マスターシリンダー
キャリパーのブレーキバランスから予想はついていましたが、極端にリアよりのブレーキバランスになっています。
なぜかと言うとキャリパーピストン面積が小さすぎるためです。
フロントよりリアが先にロックする非常に危険な状態です。
ENDLESS 4pot(Front)+JZX100(Rear)+JZA80マスターシリンダー
マスターシリンダーをJZA80に変更するとその特性によりフロントよりのブレーキバランスになります。JZX100マスターシリンダーと比べてさらにフロントよりのブレーキバランスになっていることが分かります。
ENDLESS 4pot(Front)+JZA80(Rear)+JZA80マスターシリンダー
JZA80マスターシリンダーによりリアよりのブレーキバランスが改善されているもののリアよりのブレーキバランスになっています。
ただし、0.8Gほどのブレーキング時は非常に理想的なブレーキバランスになっているのですが・・・急制動時には非常に危険なブレーキとなっています。

ENDLESS 6pot(チビロク)&純正ローター装着
キャリパーピストン径 φ16+21+27(from inner edge of ring) φ27+32+38(from outer edge of ring)

ブレーキシリンダー面積 SF1=5022mm2(フロント) SR1=2564mm2(リア)
ブレーキローター有効制動半径 rF1=120mm(フロント 推定) rR1=136mm(リア 推定)
タイヤ有効制動半径(例) RF2=319mm(225/40-18) RR2=318mm(255/35-18)

ENDLESS 6pot(Front)+JZX100(Rear) ENDLESS 6pot(Front)+JZA80(Rear)
Front (604.5×10-6)×2×P (604.5×10-6)×2×P
Rear (177.1×10-6)×2×P (354.8×10-6)×2×P
Barance 77.3:22.7 63.0:37.0

となります。これからグラフを書くと次のようになります。

前後JZA80キャリパー+JZX100マスターシリンダー 前後JZA80キャリパー+JZA80マスターシリンダー
ENDLESS 6pot(Front)+JZX100(Rear)+JZX100マスターシリンダー
フロントの制動力が4potよりも増加しているもののフロントよりのブレーキバランスは改善されていません。
6potといってもピストン面積が極端に大きくなっていないので数値上に変化はあまりありません。
ただし、ブレーキのタッチは4potと比べて変化すると思いますが…
ENDLESS 6pot(Front)+JZA80(Rear)+JZX100マスターシリンダー
こちらもリアよりのバランスはあまり改善されていません。
危ないブレーキです。
ENDLESS 6pot(Front)+JZX100(Rear)+JZA80マスターシリンダー
フロントよりのブレーキバランスです。
ENDLESS 6pot(Front)+JZA80(Rear)+JZA80マスターシリンダー
リアよりのブレーキバランスが改善されているものの危険なブレーキに変わりありません。

ENDLESS 6pot(チビロク)&φ323×30ローター装着(システムインチアップキット)
キャリパーピストン径 φ16+21+27(from inner edge of ring) φ27+32+38(from outer edge of ring)

ブレーキシリンダー面積 SF1=5022mm2(フロント) SR1=2564mm2(リア)
ブレーキローター有効制動半径 rF1=131.5mm(フロント 推定) rR1=136mm(リア 推定)
タイヤ有効制動半径(例) RF2=319mm(225/40-18) RR2=318mm(255/35-18)

ENDLESS 6pot(Front)+JZX100(Rear) ENDLESS 6pot(Front)+JZA80(Rear)
Front (662.4×10-6)×2×P (604.5×10-6)×2×P
Rear (177.1×10-6)×2×P (354.8×10-6)×2×P
Barance 77.3:22.7 63.0:37.0

となります。これからグラフを書くと次のようになります。

前後JZA80キャリパー+JZX100マスターシリンダー 前後JZA80キャリパー+JZA80マスターシリンダー
ENDLESS 6pot(Front)+JZX100(Rear)+JZX100マスターシリンダー
ローター外径が大きくなったことにより純正ローターのときよりも若干フロント寄りになっています。でもかなりフロント寄りのブレーキには違い有りません。
ENDLESS 6pot(Front)+JZA80(Rear)+JZX100マスターシリンダー
若干フロント寄りのブレーキになっているものの危険なブレーキになってしまっています。
ENDLESS 6pot(Front)+JZX100(Rear)+JZA80マスターシリンダー
マスターシリンダーを交換することでフロント寄りのブレーキがさらに促進されています。
ENDLESS 6pot(Front)+JZA80(Rear)+JZA80マスターシリンダー
ローター外径の違いによりフロント寄りのブレーキになっているもののどちらかと言えばリアよりのブレーキになっているため限界時の挙動が乱れそうで怖そうな感じになっています。

ENDLESS 6pot&φ323×30ローター装着(システムインチアップキット-1)
キャリパーピストン直径の資料が無いので考察できません。
ご存知の方は教えてください〜

ENDLESS 6pot&φ345×30ローター装着(システムインチアップキット-2)
キャリパーピストン直径の資料が無いので考察できません。
ご存知の方は教えてください〜

まとめ
各制動配分曲線を見ても取り付けて即OKと言うものではありません。JZA80キャリパーと比べて元々キャリパーシリンダー面積が小さいためリアよりのブレーキバランスになっており、JZX100キャリパーと比べるとシリンダー面積が大きすぎるためにフロントよりのブレーキバランスになっています。
この中で良さそうな組み合わせはフロントのパッドの摩擦係数をリアより高いものを装着すると言う前提でENDLESS 4pot(Front)+JZA80(Rear)+JZA80マスターシリンダー若しくはENDLESS 6pot&φ323(Front)+JZA80(Rear)+JZA80マスターシリンダーでは無いでしょうか?でも前者はカタログ落ちしていますが…
ENDLESSのキャリパーを装着する時はリアにJZA80キャリパーをつけてマスターシリンダーも流用しなければならないと言うことですね。
物を組み合わせて理想な物に近づけることこそチューニングの目的と言うことですね。

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