摩擦係数

ブレーキパッドには(ローターの)適正温度とともに摩擦係数と言う性能をあらわす値があります。この摩擦係数とは物体の運動を妨げる力(=摩擦力)を表す係数のことで、次の数式で表すことが出来ます。

μ:摩擦係数  F:摩擦力  N:垂直抗力


分かりやすく言うと平面に置いた100kgの物体(=N)を水平に動かすのに50kgの力で動き出した(=F)ならば摩擦係数(=μ)は0.5と言うことになります。
また、平面と物体の間に潤滑剤(オイルなど)があれば力が減少し摩擦係数は減少すると言うことになります。


ここまでは摩擦係数をひとつのものとして考えてきましたが、これは何も静止している物体を動かすときにのみ生じるものではなく、運動している物体にもあるものです。前者は静止摩擦係数(=μ)と呼ばれ、後者は動摩擦係数(=μ')と呼ばれています。この動摩擦係数は運動の速度や接触面の大きさとは殆ど無関係です。


一般的にこの値は束縛する面や線の状態や物体の種類によって異なりますが、特に潤滑剤などを用いない個体間では0.2〜0.6位の値をとることが多いです。また、静止摩擦係数は動摩擦係数よりも多いです。(μ>μ')
静止しているものを動かす場合初めは大きな力が必要ですが、いったん動き出してしまえば最初ほど力が必要なくなると考えていただければ分かると思います。
しかしここでは分かりやすくするためにどっちも一緒のものとして扱います。


ブレーキの話に戻ると摩擦係数は一回の制動中に発生した制動トルク(減速G)と、そのトルクを発生させるために必要だった液圧(踏力)から算出されるため次の数式で表すことが出来ます。(本当はちょっと違いますが)



通常、純正パッドでだいたい0.3〜0.4、スポーツパッドでは0.4〜0.5の物が一般的だそうです。


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