TRD MONOBLOCK HIGH PERFORMANCE BRAKE KIT

UCF30セルシオキャリパーはその巨体を止めるためアルミのキャリパーを装着しています。製造元は知る人ぞ知るSEI(SUMITOMO)です。このキャリパーはモノブロックタイプ・パイプイン方式等多くの技術が投入されており非常にすばらしい性能を発揮させてくれそうなキャリパーです。世界中を捜してもアルミモノブロックキャリパーはSEIとBrembo(完全レース用)しかありません。また、キャリパー外形はF50Bremboに比べても引けを取らないとか・・・。キャリパーピストン径は絶対的な制動力でJZA80キャリパーに少し劣るということで若干小さいと思います。
しかし如何せんTOYOTAの最高級車セルシオに装着されるものなので、スポーツカー&スポーティーカーにとってはローター径が少し小さい・キャリパーピストンの戻り量が少し多い(ブレーキの引きずり等の発生は許されないため)と言ったことがあります。


もって生まれた性能は非常に良い物なので予想通りというか各ショップから流用キットが販売されています。これはセルシオキャリパーの取り付け方法がこれまでのキャリパーと異なりキャリパーと車体のアームの間にブラケットをはさみこむ方式を採用しているためで、ブロックを作成すればキャリパーをそのまま流用することが出来るためです。
ただ、元々φ316のローターを使用するという前提で設計&製造されたキャリパーにφ323ローターを使用するのは?・・・というのはローターとキャリパーのクリアランスを求めればパッドの接触面積が少なくなるし、パッドの接触面積を求めればローターとキャリパーのクリアランスが少なくなると言うことが発生するからです。半径で3.5mm大きくなったローターが接触面積&クリアランスにどの程度影響するのか簡単に図面を書いてみるとセルシオ純正時のキャリパーとローターのクリアランス(私の目視で2〜3mm今回は2mm)を保てば1.5mm程のクリアランスとなりギリギリ?でしょう。
おそらく初期の物だけだと思うのですがクリアランスが十分取れておらず組みつけの段階でローターとキャリパーが接触してキャリパーの一部を削ったと言う話も聞いたことがあります。


ベースは良いのにローター径が少し小さいというセルシオキャリパーですが、TRDは設計をほぼ最初からやり直してスポーツユースに耐えられる商品を作ってくれました。
まずローター径は国内最大級のJZA80スープラ(17inch)用のφ323とし、強度が必要なところは肉増ししたうえで余分なところは薄肉化することで軽量化を達成し、キャリパーピストンの戻り量を最適化し・・・とまあ優れた部分がいっぱいあります。
元々SEIがスポーツユース用に開発していたはずでしたがいつの間にかTRDから販売されています。ご覧になった方は分かると思いますがSEIの製品はブルーのボディに放熱用のフィン(強度アップのためのブリッジ?)が数本入った構造でした。私はてっきりこれが販売されるものと思っていました。


ただし、気になる点があります。それは従来のセパレートタイプのTRDキャリパー(JZA80ベース)ではブレーキパッドをJZA80用を使えばよかったのですが、今回のTRDモノブロックキャリパーはUCF30をベースにしているためパッド面積がJZA80と比べて若干少ないのと、2003年7月時点でパッドのラインナップがあまり無いということです。今のところTRD・D.SPEED・BLITZから販売されているようですが・・・
また、セルシオキャリパーにはノック防止用のピンがキャリパーから生えていて多くのチューニングショップではこれを削って装着するようにしていますが、このノックはブレーキングによるキャリパーの移動を防止する大きな役目をしています。このピンをTRDではそのまま使っているのか削っているのか写真からは不明です。まあ0.1μm単位の加工をしていると書いてあるのでそのまま使っていると思いますが。

内容 定価
モノブロック対向4ポッドキャリパー \211,000
キャリパーブラケット \68,000
フロントディスク(10本スリット入りφ323) JZA80と同一品 \40,000
リアディスク(8本スリット入り) \28,000
フロントブレーキパッド \17,000
ステンメッシュホース(1台分) \29,000
キャリパー取り付けボルト、ブレーキホースガスケット、スペーサー e.t.c. \5,000?
合計 \398,000

こちらはセパレートタイプのTRDキャリパーよりもっといい値段がします。キャリパーはセルシオキャリパーだともっと安いのですが、設計をはじめからやり直したのでしたらまあ仕方が無いのでしょうか?キャリパーブラケットもいい値段します。材質と加工精度から考えるとまあ仕方ないのかな・・・という感じでしょうか?
それにしても高い!下手をしたらF50Bremboキャリパーのキットが買えてしまうでしょう。TRDモノブロックキャリパーの優位点はF40&50Bremboと違いモノブロックであること、オーバーホール部品が全国のディーラーですぐに手に入ることと言ったところでしょう。
一度フィーリングを体験してみたいことは確かです。

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