重心高さが及ぼすブレーキバランス

車の重心が低くなるとどうなるか?と言うことについて考えてみたいと思います。
ここにご登場いただく車は私の愛車JZX100 Chaser TourerVです。この車を例にとって重心が高くなるまた低くなるとどうなるかをグラフを使って考えることにします。


右はあちこちで取り上げているグラフです。グラフの見方についてはブレーキバランス(JZX100)をご覧ください。

まず、車の緒元は上のグラフと同じですが使用したソフトが違うので一応掲載しました。
ただし、X軸Y軸の最大値は都合により変えています。(下のグラフ2つとは同じ)


この場合は私の独断と偏見で重心高さを0.55[m]としています。この数値が合っているかどうかについては…多分間違っていると思います。でも、極端に違うと言うことは無いと思いますが…


こちらは重心高さを0.30[m]としたグラフです。
重心が下がると言うことは荷重移動が起こりにくくなります。余談ですがホイールベースが長くなっても荷重移動が起こりにくくなります。


で、0.55[m]と比べてどうなるのかと言うと理想制動配分曲線(と各線の交点)がY軸の大きな方向に移動しています。これが何を意味しているのかと言うとブレーキングをする際にリアに多くの制動力を与えられるようになります。


もう少しわかりやすく言うと重心が低くなることにより荷重移動が起こりにくくなります。荷重移動が起こりにくくなると言うことは、ブレーキングをしてもリアの動的荷重変化量が少なくなる=大きな制動力を与えることが出来ると言うことになります。


勘違いしそうですが絶対的な制動力は(簡易理論的には)重心の高さには関係ありません。水色の斜め線が等減速度曲線になりますがこのときの減速度は1.0[G]です。この線の傾き&位置は重心高さが変わっても変化しません。


こちらは重心高さが0.70[m]としたグラフです。
重心が高くなると言うことは荷重移動が起こりやすくなります。ホイールベースの話ではこれが短くなっても荷重移動が起こりやすくなります。


で、0.55[m]とくらべてどうなるのかと言うと理想制動配分曲線がY軸の小さな方向に押しつぶされたようになっています。これが何を意味しているのかと言うとブレーキングをする際にリアにはあまり多くの制動力を与えられないようになります。


荷重移動が起こりやすくなると言うことはブレーキングによりリアの動的荷重変化量が大きくなり結果リアの制動力を少なくせざるをえなくなります。


まとめ

重心が低くなるとリアの動的荷重変化量が少なくなることにより、リアへ大きな制動力を与えることが出来るようになります。逆に重心が高くなるとリアへ与える制動力は少なくなるようにしなければならなくなります。


back

↑このページのトップへ戻る↑